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イーブン・イフ  作者: 裏柳 白青
5. Alter Ation
71/108

第71話

 久しぶりに久重先輩と話して緩んでた表情が凍りついたのが、自分で分かった。その言葉は、いまは、言われたくなかった。


 久重先輩もどんな表情をしてるのか分からない。けれど、1年生の前だからと、慌てて表情を取り繕う。


「付き合ってないよ! うちのサークルの先輩後輩はみんなこんな感じなの!」

「そうなんですかー! 先輩後輩が仲良いサークルって憧れます…私、高校生のときは先輩が怖くって」

「何部だったの?」

「テニス部です! ユニフォームの可愛さに憧れて入ったんですけど、私って運動音痴だから、練習すっごい辛かったんですよー」


 えへへ、と栄美ちゃんは笑う。笑うと一層可愛い…こんな美少女いるんだ。


「私も運動音痴なんだよ。だから中学も高校も帰宅部と文化部で…」

「そういやミツ、ビーズのサークルはどうなん?」

「試験前なので今週は行かない予定ですけど…結構色々作ってますよ」


 指輪とか動物のキーホルダーとか、と指折り数える。栄美ちゃんは顔を輝かせた。


「先輩、ビーズアクセサリー作ってらっしゃるんですか?」

「うん、サークルがあるから、一応。材料も一括で買えるからお得なんだよ。って言っても、私はあんまり顔出してないから沢山作ってないけど…」

「すごい! 私、手先不器用なんで、そういうのすごく憧れます!」


 今度ぜひ見せてください!と顔を輝かせる。美少女で、素直で可愛い。見てるこっちが癒されちゃう、と思わずその可愛い顔を見つめてしまった。久重先輩がそんな私を見てまた苦笑する。


「ミツ、ほんまに可愛いの好きやなぁ」


 すると、伊勢先輩が肩を竦める。


「ミツが小動物全般好きって知ってますアピール、やめてくれます?」

「ちゃうやん! お前はなんでそんな見方すんねん!」


 アホか、と伊勢先輩とじゃれる久重先輩。その様子を眺めていると、栄美ちゃんがくすくすとまた笑った。


「本当、仲良しですよね。光宗先輩より久重先輩のほうが上ってことは、光宗先輩たちが2年生ですか?」

「うん、そうだよ」

「たった1年なのにすごく仲良いですね~」


 新也とミツが特にな、と伊勢先輩が付け加えると、久重先輩がその脇腹に思いっきり肘鉄を食らわせた。伊勢先輩が「うっ」と小さな呻き声を上げるけど、私が久重先輩でもやってたと思う。栄美ちゃんたちに突っ込まれないうちに話題を振らなければ。


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