表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イーブン・イフ  作者: 裏柳 白青
5. Alter Ation
68/108

第68話

 あ、れ…、どうしよう…。


「図星」


 來未ちゃんがボソッと呟いた。


「そう言えばミツと久重、仲良いもんなぁ。久重、今日なんか不機嫌そうだったけど」


 その言葉を拾って、自家先輩は男の人にしては綺麗な色白の頬に手をついてみせ、ふふっと笑った。誤解されても困るし、慌てて手を横に振る。


「あ、いえ、久重先輩は別に…気にならないです…」

「気になんないの?」

「ならない…ですね…だって、ただの先輩ですし…」


 りっちゃんと來未ちゃんがじーっと私を見てくるけど、4年生の先輩にそんな風に思い込まれるのは、困る。


 …どうしよう。でも、あの子がまだ入るかどうか分からないからかもしれないし。いくら美少女って言っても、今日しか会わないかもしれないから気にならないだけなのかも。


 ふぅん、と自家先輩は僅かに首を傾げた。


「そうなんだ。まぁ、2人とも仲良いわりにはサークル以外で会ってるのも見たことないしなぁ」

「そ、そうなんですよ、本当に勉強会中によく面倒見てもらってるだけで」


 水族館の話、伊勢先輩本当に誰にも言ってないみたい。よかった、とほっとしながらぱたぱた手を仰ぐ。りっちゃんも來未ちゃんも何も言わなかった。

ここで「水族館に行ってましたよ」なんてことを言ってしまう空気の読めない2人ではなくて、良かった。


「なんだ、本当に何もないのか。久重もさぁ、いい加減彼女作っていいと思うんだけど」

「ですよねぇ。なんで彼女できないんでしょう」

「あ、そっか、お前らは知らないか」


 首を傾げたりっちゃんに、自家先輩はぽんっと手を叩いた。何のことか分からなくて、私達3人は一斉に目を(しばた)かせた。そんな周知の何かがあったの?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ