第3話
桐生君は、中学の時の同級生。高校は別だったけど、まさか大学生になってから同じ学部になるとは思わなかった。
桐生君は、クール系で頭と運動神経が良いから、なんか女子に人気あるかなーと思いきや、酷く冷めた性格が悪評高く、女子と仲が悪い。
そんな桐生君となぜ私が寝てしまったのか。多分原因は昨日の飲み会。
学部飲み会があって、その時に桐生君のうっかり隣の席になってしまった。1年の学部飲み会で初めて桐生君に会い、まさかと思ったら中学の桐生君だった、という経緯が過去にある。
桐生君は酒好きで、隣で好き放題お酒を飲みながら、前に座る女の子と喋ってた。前に座ってたのは美人な末武さん。まぁご機嫌に喋ってたけど、隣の私としてはいたたまれない。桐生君とは反対側に座る、迫村くんと話してた。
迫村くんは語学が一緒だったから話も弾んだし、共通の友達もいるってことで結構楽しく喋ってた。そんな時に末武さんが席を立ってしまい、暇になった桐生君はこっちの会話に入ってきた。
そこで桐生君の話の入り方が、私と中学の同級生だったということからだったから、ゲッと思いつつ、余計なことを喋られないように桐生君の話に最新の注意を払い始める羽目となった。
それがいけなかったんだ。
すっ、と手に取ったグラスが桐生君ので、中にはお酒が入ってて、運悪く私はお酒に弱く、運悪く桐生君は酒豪だった。
目蓋が異常に重たくなった後は、よく覚えていない。