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イーブン・イフ  作者: 裏柳 白青
2. Cut In
24/108

第24話

 ピタッと、空気が凍った。気がしたのは気のせいだったのか。


「…いいですねー、久重先輩と飲みに行ったことないですし。あ、でも私、弱いんであんまり飲めませんよー」

「えー、そんなら飲みに行かれんなー。じゃあ飯食いに行こー」

「美味しい所おごってくださいー」

「何でたかられてるん、俺」


 あははは、と笑って冗談まがいのことを言う。危ない、危なかった。本気で返事とかしてたら、危なかった…!


 宏林先輩は白い目で久重先輩を見てる。


「久重くん、本当にそういう冗談ばっかり…いつか本気にした女の子に刺されるよ?」

「でも誰も本気になってくれんもん」

「そりゃそうでしょうね…」

「なんで!? どういう意味なん、ヒロ!」


 りっちゃんがじっと私を見た。やめてりっちゃん、バレるから。私が久重先輩を本気で好きだってバレるから!


「そろそろ出ようかー」

「んー」


 久重先輩に言われて立ち上がり、他のテーブルにいたみんなも荷物を持ち始めた。先輩達にごちそうしてもらえるみたいで、ごちそうさまです!とりっちゃんと頭を下げて、先に店の外に出た。


「久重先輩のあれ、本気かしら」

「…ご飯?」

「うん」


 考え込む私に、りっちゃんもうーんと考え込む。


「久重先輩、いっつも冗談で好き好き言ってるけど。私、実はミツにしか言ってるの見たことないんだよね」

「そう? そうなの? だったら…!」

「でもあんなに好き好き言う? 本気だったら」

「よねー…」


 はぁ、と溜息をついた。逆に見込みなし。


 今までは仲良い男子なんて中学生のときくらいしかいなかったからなぁ。だから仲良い男女っていうのがどんなものなのか、いまいち分からない。だから、久重先輩が何を考えてるかが分からない。


「…ミツ、どうすんの?」

「なにが?」

「本当にご飯誘われたら」

「……え、いや、そんなまさか…」

「1対1はともかく、あのノリで誘われることならいくらでも有り得るでしょ?」

「ま、まぁ、そのときはみんなで行けば…」

「そう答えるの?」

「え?」


 それじゃだめなの、と言った私に、りっちゃんは目を光らせた。狙ってか、黒髪ストレートの短い髪をサラッと手で払ってみせた。


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