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イーブン・イフ  作者: 裏柳 白青
2. Cut In
15/108

第15話


 ──食材を一緒に買って、春最後のお鍋かななんて言いながらIHの電源をつける。部屋着に着替えた桐生くんはテレビをつけた。


「うわー、最近の海外怖っ」

「少しは手伝ってよ、桐生くん」

「んぁー。味見するわ」

「そういうこと言ってんじゃないの。ほら早くお野菜入れて」

「うぃっす」


 気怠い目で私が渡した皿を受け取り、お野菜を菜箸で入れていく。お肉の皿も傍に持って来て置いて、ソファに座る。


「──で、結局桐生くん、マネに好きな子でもいるわけ?」


 少し胸は痛んだが──優位に立てるのかも、と桐生くんの横顔を見ながら、思った。

 桐生くんの眉が寄り、しかし野菜を入れ続ける。


「…お前にそれ関係ある?」

「…ないけど。興味よ」

「あっそ。別に、そういうわけじゃねぇよ」


 野菜終わり、と桐生くんは皿と箸を置いた。

 ソファに座り、そのせいで体が近くなる。

 ドクンと体の奥が反応する。


「…え、ちょっと…」

「あー、明日の試合行きたくねぇなぁ」

「何でよ? スタメンじゃないの?」


 桐生くんは何でもないように、普通の声で言う。

 私もそれに合わせるように、なるべく冷静な声を装うように絞り出す。


「スタメンだけど。明日、交流戦の後に飲み会あんだよね」

「いやなの?」

「めんどい。まぁ流石私立なだけあってマネ多いし、可愛いのいんだけどね」


 結局可愛い顔が好きなんじゃん、と苦笑いしてみせる。

 可愛い子が嫌いな男なんていねーよ、と桐生くんは笑った。


「あ、そういうわけで、明日は飯いらねーわ」

「はいはい…なんかもうお母さんになった気分よ…」


 ご飯がいる・いらないをLIMEで連絡される度にそう思う。

 桐生君、いつまで私にご飯をたかる気だろう。そのうちお弁当作れとか言われないだろうか。


 というか、彼女ができたらどうするつもりなんだろう。

 ていうか、私に彼氏できたら解放してもらえるの…?


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