ドM!?
そうして、目を覚まそうとした瞬間、
「っ・・・!!」
殺気を感じて、俺はすぐに目を開けてその攻撃を避けようとした。が、
「いたっ!!」
完全に、忘れていた。俺は、前世で異能力を封印したただの一般人だ。そんな一般人が、一瞬のスピードで攻撃を交わせるわけがないのだ。だが、なんとか致命傷は避けた。僅かに額から血が滴るが、別に俺からしたらなんともないことだ。それで、
「いきなりなんなんだよ」
「・・・」
「お喋りは禁止か?」
その目の前にいる人物は、マスクを被っていて、夜なこともあって表情は見えなかった。
「お前は、連日の自殺の事件に関与しているのか?」
「・・・」
そうか。黙り続けるか。だったら、こっちだって策があるんだぞ。
「黙り続けると言うなら」
俺は、ポケットからナイフを取り出して、
「お前が折れるまで、俺は戦い続けるぞ」
そうして、ナイフの先端をそいつの顔面に向けた。先端は、夜空に輝く月によく照らされていた。
「!!」
刹那、目の前の人間が動き出した。
「くっ・・・!!」
生身であるからか、体が動かしにくい。それでも、
「剣術は、技術なんだよ!!」
なんとかその攻撃を弾き返し、
「俺だって、人を殺したくない。この世界で人殺しなんか行ったら、一生牢獄生活を余儀なくされるからな。それで、お前はそれが怖くないのか?」
俺が問いかけても、そいつは攻撃をやめなかった。
「なるほど。そう来るのか」
だったら、少しだけお遊びをしよう。
「なぁ、お主。そんなに顔を見られるのは嫌か?」
直接、言葉に表しているわけではない。が、伝わってくる。オーラが、そう語っている。顔だけは見せたくない・・・と。だったら、俺が、
「その仮面を剥いでやるよ」
その瞬間、俺は動き出して、
「えいっ!!」
俺は、仮面を切り裂いた。すると、
「おまっ、女だったのか?」
驚いた。あんな機敏な動きが出来るから、男だと勝手に思い込んでいたが、まさか女だったとは。
「っ!!お前!!よくも私の仮面を!!」
「お、ようやく喋ったか。さぁ、せっかくだしお喋りでもしてくか?」
「お前と話すことなんてない。私は、私の責務を全うするだけだ!!」
そう言って、彼女はナイフを振りかぶりながら此方へ向かってくる。しかし・・・
「喧嘩を売る相手を、間違っている」
何度も言おう。俺は、
「うがぁぁっ!!!」
元、世界最強なんだから。
そうして、俺はそこにやって来ていた。
「おい、新入りだ」
「お?誰か捕まえたのか」
「あぁ、お前と同類だ。おい、入れ」
「・・・」
「って、女じゃねぇか。どういうつもりだ?」
「どういうって、俺に襲いかかってきた奴が、たまたま女だったってだけだ」
「にしても、お前も不憫だな。殺しにかかった相手が、こいつだったなんて」
「黙れ。私はお前らと会話することなんてない」
「あ、そうだ。新入り、これからお前の身に起きる出来事を説明する」
そうして俺は説明を始めた。拷問のことなどを。
「好きにしろ。私は、何も知らない」
「新入りと言い、お前と言い・・・なんでそんな投げやりなんだよ」
しかし、今日はもう用はない。
「じゃあ、俺はここを離れる。あ、そうだ。脱獄は、勝手にしろ。しかし、覚えておけよ」
俺は、ナイフを取り出しながら、そいつらに告げる。
「脱獄した先には、俺が待ち構えているからな」
とだけ言い残して、俺はそこを後にするのだった。
そろそろ、事件も進展が現れてくるだろう。俺は、あの女が仮面をしていたことや、手袋を何重にも重ねていたことを報告した。
「じゃあ、やはり異能力者の可能性は低いか?」
「まぁ、そういうことになるだろうな」
この、進治郎も異能力の世を生きていたからこそわかる。異能力の可能性も、捨てきれないということに。
「しかし、よくやってくれた。お前、団体より一人の方が成果出せるんじゃないか?」
「一理あるかもな。まぁ、俺は情報収集を集中的にやるから。お前たちはもっと頑張るように言っておいてくれ」
「わかった。じゃあ、今日も拷問よろしく」
「はいはい。わかりましたよーだ」
そうして俺は、あの牢獄へ向かった。
そうして、俺は牢獄の中にいるそいつらに、
「よーっす。元気してたか?」
「こんな何もない空間で、元気に過ごせるか」
いつものごとく、挨拶をしておいた。
「んで、そこの女は何をしてるんだ?」
「曰く、寝てるフリらしい」
「そっか。そこまで仲良くなったのか」
「仲良くなってねぇわ!!」
「お、起きた。おはよう」
「黙れ。お前と会話したくない」
「ははっ。冷めてんなぁ。それじゃあ、吐いてくれ。って言っても・・・」
「あぁ。俺は何も知らない」
「・・・」
「ま、そうだろうと思ったよ。じゃあ、拷問を始める」
俺が、その男に拷問を始めると、
「うぎゃぁぁぁぁ!!!」
と、聞き慣れた悲鳴が廊下中を蹂躙する。
「女、立て」
そういや、こいつの拷問考えてなかったな。
「おい、何かされたい拷問とかあるか?」
と、俺が聞いた、その瞬間、
「縛って」
と、俺が捕まえた女が、突然とんでもないことを言い出したのだ。




