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Virann  作者: 柴田優生


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世界最強がキレた!?

刹那、知夏の体に電気が流れ始めた。


「っ!!・・・」

「知夏!?なんでそれを・・・!!」

「言って、ませんでしたよね・・・。わた、しは、電気系の、異能力を扱うんです」

「先に言えよ!!」


しかも、帯電って固有スキルじゃねぇか!!電気系の異能力の種類の中に、『帯電』なんていう異能力を聞いたことがなかった。故に、この異能力は知夏の固有スキルだということがわかるのだが、


「でも、この異能力は・・・そういうことか」

「はぁー。また面倒な異能力を発動しやがった」

「本当に。だ」


この異能力は、俺にとっても面倒な異能力なのだ。見た感じ、この異能力は『雷電畜撥らいでんちくはつ』という異能力に似ている。その異能力を発動すると、電気を貯め出す。そして、電気を蓄えている間は、どれだけ強力な異能力を放っても一切攻撃が効かない。そして、貯めた電気はいつでも放出することが出来る・・・と言った異能力だ。見た感じ、知夏も電気を貯蓄しているから、雷電畜撥と似た系統にあるんだろう。


「これじゃあ、攻撃しても意味ねぇじゃねぇか」


と言いながら、カズが知夏に攻撃をしてみたが、案の定、その攻撃が通ることはなかった。


「仕方ねぇ。戦っても意味ない。そいつは、どうせその異能力を放ったら死ぬんだろ?」

「・・・あぁ」


最期は、自分の体に蓄えた電気を全て使いきったら、その主は体の中に走っている電気信号を奪って、心臓も止まりやがて死に至る。これが固有スキルだから、確定で死ぬわけではないが、おそらくこの固有スキルは雷電畜撥を派生したものだろう。いくら強化版とは言え、不死身の強化は禁句である。まず、俺が世界のバランスを保つために、不死身系統は封印した。


「まだ、そいつは話せる状態なんだろ。お前の仲間だ。最期くらい話してやってくれ」

「わかった」

「やまと、さん。監長・・・。お役に立てず、申し訳、ございませんでした」

「役に立ってくれた。君は、よくやってくれたよ」

「最期くらい、私一人で、やらせてください」

「ただ、お前一人で・・・」

「いや、進治郎。いい。やらせてやれ」

「は?いいのか?」

「あぁ。逆に、俺たちが近づいた方が危険だ」

「そりゃどうして?」

「今、知夏が体に蓄えている電気は、強力な異能力でさえも無効化するような強さを持つ電気だぞ?もし、そんな電気が感電したら・・・わかるな?」

「そういう、ことか」

「だから、俺たちは近づくことが出来ない」

「はい。私一人で、やらせてください。絶対に、この戦争を・・・終わらせます、ので!!」


知夏がそう言い切った刹那。突然帯電が終わった。


「はぁ。はぁ・・・」

「それじゃあ、知夏。任せたよ」


そうして、知夏はゆっくりと、歩を進めてカズに近づいた。


「対象・ロックオン!!」


私は、そこまで活躍していない無能警察官だ。だから、だから・・・。最期の刻くらい活躍して見せないと!!私は、目の前に立っている、悪の組織『New Deal』のボスをロックオンし、そしてその言霊を唱えた。


「対象に、全ての電気を放電する!!」

「・・・」


そいつは、何もせず、ただ突っ立っていた。そんな奴に、私は異能力を放った。


「雷の神よ!!私に120%の雷を!!」


刹那、今までに感じたことのない痛みが体を襲った。そりゃそうだ。120%という、限界を越えた威力の雷が体を襲っているのだから。だが、そんなのは、関係ない。


「異能力、解放・放電!!」


知夏が放ったその雷は、カズに命中した。何度も何度も、落ちてくる雷と知夏から放電される電流が、カズの体を襲う。そして、やがて。


<<ドカーン!!!>>


大きな音を立てて、知夏の体は爆発した。肉片が飛び散ると同時に、近くでは暴風が吹き荒れていた。


「進治郎!!何かに捕まれ!!それか、伏せろ!!」



なんとか、進治郎も俺もその暴風から耐えることが出来た。


「知夏・・・」


最期は、とても悲惨な姿を見せて、帰らぬ人となった。しかし、彼女のお陰で、世界は守られた。


「ありがとう。知夏。またどこかで」


砂塵が、まだ吹き荒れる。そして、数秒間辺りを埋め尽くして、やがて砂塵は消えた。・・・のだが、その次の瞬間。予想もしていなかった出来事が起こった。


「・・・・・・は?」


俺も、進治郎も揃って素っ頓狂な言葉が口から零れた。だって、


「ははっ。はははははっ・・・・・・。ははははははは!!!!」


立っていると思ってもいなかった、カズが立っているからだ。どうやって、あの爆発を逃れた?離れていた俺らでさえも、かすり傷を負っているって言うのに、何故あいつは・・・無傷なんだよ!!


「ほんと、警察は馬鹿だよ。せめて、世界最強くらいは気づいてほしかったな」

「まさか・・・防御を展開していたのか?」

「ほんと、気づくのが遅いよ。あぁ、滑稽だ。俺が、そんな素直に最期の時間を与えるなんて思っていたか?あんなの、ただの時間稼ぎでしかねぇよ!!あーあーほんと、笑いが止まらねぇぜ」


腹を抱えて、カズは笑っている。・・・


「ゆるさ、ない」

「あ?なんだって?」


許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!絶対に、許さない!!いくら相手が前世で親友だっただろうと、こんなこと、許せるわけがないだろうが!!


「絶対に、殺してやる!!」


俺は初めて、本気でキレたのだった。

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