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Virann  作者: 柴田優生


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戦略

それから、俺たちはただひたすらに逃げ続けていた。


「なんで攻撃をしてこない?逃げ続けるのは、お前たちにとって不利じゃないか?」

「さぁ。なんでだろうな。しかし、何かしら理由はあるからな」


ソフィアは、いつ起き上がるのだろうか。それによって話が変わってくるのだが、ただ、こいつが言うのも強ち間違いではない。逃げ続けるのは、それはそれで体力を喰うのだ。だから、ソフィアがはやく起き上がってくれないと・・・こちらとしても辛い。


「じゃあ、なにもしない。そうしたら、攻撃してくるか?」

「なんで、お前はそんなに攻撃させたい」

「そ、それは・・・私は、真剣に殺り合いたいからだ」

「ふーん」


何か、隠しているような気がした。少し、彼女の表情が強張っている。それが何を示唆しているのか・・・まだ、わかってはいないが、何かを隠していることは確実なのだ。


「少し、動きが鈍くなっているぞ?」

「っ!!っぶねぇ」


だめだ。考え事をしていたら足取りが遅くなっている。とにかく、逃げ続けないといけないのに・・・。そうして、俺たちはかれこれ数十分は逃げ続けた。しかし、


「ちょこまか逃げやがって・・・」

「っ・・・はぁ」


ソフィアは、一向に起き上がる様子はなかった。天使だから、回復は早いはずなのに・・・何故。それにしても、そこの天使・・・たしか、ラフだったか。ラフも体力を切らせる素振りが一切ない。天使だから、俺が思っている以上に体力があるのだろうか。


「はやく、攻撃をしてこいよ!!逃げていても事は進まないんだぞ!!」


そして、なんでこいつはこんなに攻撃させることに必死なんだろうか。攻撃されるということは、自分が負ける可能性が増えるリスクがあるんだぞ。


「ちょっと、進治郎。ここは任せたぞ!!」

「は?」


少し、考える時間がほしい。そう考えた俺は、ダッシュでその場を離れた。



近くの洞窟に身を潜めて、俺は考えを巡らせた。まず、ソフィアはなんで立ち上がらない。あいつらが繋がっている限り、どちらか片方が死んでも自然と復活するように出来ているはず。なのに、何故復活しない。そして、ラフは何故俺たちに攻撃を繰り出させようとしているのか。何故、天使という役職がありながら、すぐに俺たちを殺そうとしない。創世者が言っていたように、天使の異能力は取得がとにかく難しい。それくらい難しい異能力であるが故に、その天使の異能力はとても強力なものなのだ。だから、多少の異能力者であれば・・・その異能力で人間なんか容易く殺せるはずなのだ。なのに、何故・・・ラフは俺たちを殺そうとしない。まだ、使い慣れていないのか?だとしても、おかしい。考えろ。パターンを、組み合わせろ。


「っ・・・はっ。まさか」


そういうことなのか?・・・いや、それに賭けるしかない。結論を見いだした俺は、すぐにその場に戻ることにした。



そうして戻ってくると、やはり進治郎と知夏は生き残っていた。


「おい大和。どこに行っていたんだよ」

「すまん。少し、じっくり考える時間が欲しくてな」

「何か分からないが・・・とにかく、何か分かったのか?」

「あぁ。進治郎。ラフを殺すぞ」

「は?いきなりどうして・・・逃げるっていう戦法じゃなかったのか?」

「最初は、そのつもりだったさ」


しかし、気が変わったんだな。


「こそこそ、何を話しているんだ?」

「あぁ。お前には関係のないことだよ。しかし・・・」


俺は、ポケットからナイフを取り出した瞬間、そいつに言い放った。


「一度、お前には死んでもらう」

「・・・は?」


そうして、俺は異能力を発動させた。そして、その勢いのまま、


「っ・・・!!」


そいつの体を、ぶった切りした。そうしたら・・・


「っ・・・。ははっ。ははははは!!!やっぱり、世界最強は伊達じゃないねぇ!!よく気づいたね。世界最強さん」


大きな笑い声をあげて、ソフィアは復活した。そして、何事もなかったかのように、ラフも復活した。


「おい大和!!何をしているんだよ!!なんで、敵を増やした!!しかも、分かっているかのように!!」

「まぁまぁ。落ち着け」


ソフィアが起き上がったことで、先程まで見えていなかった赤い糸が、ほんのうっすら姿を現していた。


「あーあー。世界最強には全部お見通しか。ねぇ、ラフ」

「そうらしいね。こいつだけは、殺さないといけない。分かってるよね?ソフィア」

「あぁ。いくわよ、ラフ!!」


そうして、そいつらは俺目掛けて突進してきた。しかし、まだ慎重にいかないといけない。


「はっ」

「身体能力は本当に人並み外れているんだ。厄介だなぁ」

「こうなったら、挟み撃ちよ!!」


そうして、その二人は何処かへ消えた。おそらく、透明化を使用したんだろう。ただ、俺には分かる。微かな気配と、風を切る音が・・・伝わってくる。だから、


「なっ・・・!!なんで」


大体どこにいるかは把握できる。そして、こいつらを倒すには、繋がっている糸を切ること。それから、ソフィア、ラフの両方を倒すこと。ラフがソフィアを起き上がらすために俺たちに異能力を繰り出させようとしていたのは、一種の無敵状態に入ろうとしていたから。だから・・・


「ソフィア!!もう行くわよ!!」

「だね。そうするしか・・・」


だから、そいつらは俺を殺すために、その異能力を放つのであった。


「大天使解放!!」

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