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Virann  作者: 柴田優生


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双子

俺たちは、苦戦していた。


「お前は誰だ?ボスからも聞かない人物だが・・・弱すぎないか?」


俺も、皆目見当つかない異能力に、太刀打ちが出来なかった。


「知夏。大丈夫か?」

「えぇ。なんとか・・・」

「そんな程度の異能力で、ボスを倒そうって・・・馬鹿じゃないの。無能なら、死んだ方が楽なんじゃない?」

「うるせぇ。俺は警察だ。世界を、平和する義務がある!!」

「平和平和ってほざくけど・・・争いが耐えないのはなんで?」

「っ・・・」

「答えれてないじゃん。警察なんでしょ?それくらいの質問、答えれるよね?なんで、私たちは殺しを行っているか分かる?なんで、解決しても世界のどこかで争いが起こっているか分かる?全部、答えられないでしょ?」


警察として、警視監長として・・・情けなかった。俺は、たしかに人を救い、世界の平和を衛る部隊だ。そんな、警察のトップが、世界中で争いが耐えない理由を即座に答えることが出来なかったことが・・・悔しかった。


「人と人が争うのは、それぞれに意思があるからだよ。思うことがあるから、それを言い合って対立する。人や、その他の動物に意思がなかったら、争いなんか起こってないんだよ。そんなこともわからないの?警察やめたら?」

「で、でも・・・。思うことはできるんだろ?お前が、今すぐに殺しをやめたら、ひとつでも争いが減るじゃないか」

「意思があるからやってることなんだよ。私は、私の感性がある。だからね・・・」


刹那。


「いたっ!!」

「知夏!!」

「人を痛め付けることも、殺すことにさえも躊躇いがないんだよ」

「随分と、腐っているんだな」

「それはお前から見た私を悪としているだけでしょ?私からしたら、私たち組織の目的を阻害しているお前たち警察が悪なんだよ。それが、どんな悪行を行っているとしても」

「あぁもう。話していたら頭がいたくなる」


はやく、はやくこいつを倒さなければ・・・。


陽炎かげろう!!」

「無意味に異能力を放ったって意味ないよ。体力を奪うだけだよ」

「うがっ!!」


正直、勝てる気がしなかった。どうすれば、勝てるかなんか・・・。わからなかった。だって、相手が使用している異能力は未知数のものだから。それが、想像以上に強力だったから。


「誰か、助けてくれ・・・」

「情けない命乞いを・・・。最期に、教えてやるよ。死は、救済だからな」


するとその瞬間、雷の剣のようなものを取り出して、


「終わりだ」


そして・・・・・・。



「え?」


その剣が、振り下ろされることはなかった。その理由は、


「大和?」


一人で戦っていたはずの大和が、姿を現していた。




正式に言えば、勝ったわけではない。俺はあくまで、時間稼ぎをしただけだ。


「さようなら。世界最強」


そう言った瞬間、そいつは雷の大槌おおづちを振り下ろした。そうしたら丁度、脳の痙攣が治ったから・・・


「異能力・・・零式ぜろしき・展開術」

「・・・は?」


俺が咄嗟に発動させた異能力は、そいつに直撃した。


「わぁぁぁっ!!!」


予想をしていなかったんだろう。そいつは防御の姿勢が遅れて、その異能力が直撃した瞬間、体に電流が走った。


「ただ、な」


俺は気づいていた。これで、天使を一人倒したというわけではない。何故なら・・・俺は、天使と対峙した時に、うっすら目にしていたのだ。


(なんだ?この赤い糸は)


最初は、天使だから絆なのかと思っていた。しかし、よく見れば、その糸の中に何かが通っていたのだ。それはおそらく、情報だ。この天使は、双子のような感じなんだろう。お互いの脳が連結されていて、互いの情報や命が繋がっている。そうして、『双子』は一応あのときの世界にも存在していた。俺は出会いこそなかったが、双子という系統は、両方が同時に死ぬまで、復活をすることが出来る系統だ。


そうして、今に至るというわけだ。


「ソフィアはどうした?」

「知っているだろ。お前は」

「っ・・・」

「さぁ。攻撃をしてこいよ。お前たちの目的は、俺たちを殺すことなんだろ?」

「っ・・・や、やってやるよ」


そうして、ラフが動き出した刹那、俺は知夏と進治郎に耳打ちをした。


「とにかく、避けまくるぞ」

「は?」

「いいから、わかったな?」


そうして、その異能力は、繰り出される。


「なるほど。避けるつもりなんだ」


その作戦は、一瞬でバレてしまった。しかし、


「さぁ?それはどうなんだろうな」


俺は、しらを切った。別にバレたってなんでもいい。俺がやることはひとつ・・・ソフィアが起き上がるまで、俺は逃げるだけだ。

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