開戦
ある日、突然、世界は動き出した。
ある日、いつものように事件が起きた。
「いや、まずその感覚がおかしいのか」
毎日のように人が死ぬから、もうそれが当たり前のように感じてしまっていた。いや、あの世界だったらおかしい話ではないが。
「おいおい!!緊急事態だ!!」
すると突然、捜査員の一人が声を荒げてそう言った。
「どうした?何があった!!」
すると、声を荒げた奴が、こう言い出した。
「”X”から、手紙が届いた」
そろそろ、しびれが切れた。
「はぁ。おせぇっつうの」
これだけ、情報は入手しているはずなのに、何故組織に乗り込みに来ない。
「まぁ、どうせ対策を練ってきたりしているんだろうな」
例えば、異能力を覚えたり・・・だとか。俺たちの組織は、異能力者の集まりだ。だから、警察側は異能力を覚えさせたりして俺たちの組織に対抗してくるであろう。それが、大和だからな。
「あいつなら、異能力を覚えさせるだろう」
絶対的な自身がある。あいつは、そういうやつだから。リスクが少ない方を選び、最善の選択肢を選ぶから。
「さぁ。気づいてくれるかな」
こちらが動き出したんだ。そろそろ、警察側も焦って俺たちに対抗してくる頃合いだろう。
「集合」
「はっ」
「これにより、おれらの計画を実行する」
「承知の上でございます。ボス」
「しっかり、責務を全うするんだぞ」
「はい。全てを奪い尽くして見せます」
重従な幹部が俺の手下に着いたもんだ。しかし、別にそこまで世界征服に固執しているわけではない。俺の真の目的は、大和に合うことだからな。俺は、あいつに会って、戦いが出来ればもう生きる必要はない。俺は、この世界では悪者の立場として生きるんだ。
「あぁ、楽しみだなぁ」
前世ぶりに、あいつと再開できるんだ。最高の戦いが出来るように、鍛練を組んでおかないといけないな。
「手紙が、届いた?」
Xって、まさか・・・。
「内容は?」
「えっと、こう書かれてあります」
『ショータイムだ。警察よ』
「だそうです」
「・・・そうか」
ついに、動き出してきたか。しかし、あちらから手を打ってくるか。てっきり、俺たちが組織に乗り込むまではなにもしないと思っていたが、ここで動き出すなら話は変わってくる。
「ま、まままままずいぞ!!!」
すると、もう一人の警官がそう声を荒げ出した。
「今度はなんなんだ!!」
「せ、世界が・・・変わり始めている!!ニュースを見ろ!!」
そう言われて、すぐさま携帯を取り出して、俺はニュース速報を見てみた。すると、
「緊急速報です!!現在、多数のデモ組織のような人間たちが、世界中の人間を殺害しています!!何やら、未確認の”もの”を使用して、人間を殺害しています!!」
「は、はぁ?これって、まさか!!」
「だろうな。これは、異能力だ」
本格的に、組織が動き出したようだ。しかし、
(目的は違うはずなのに、何故こんなことなんか?)
おそらく組織のボスの目的は、おれと進治郎に会うことだろう。何故なら、転生者だからな。しかし、そこまでする意味がわからない。おれに会えばいいだけの話なのに。
「これは流石にまずいか。俺たちも動かざるを得ない。世界を止めに行くぞ!!」
「おう!!」
「あ、ちょまっ・・・!!」
俺の声は届かず、警察官たちは出動してしまった。
「おい、進治郎!!」
唯一、出動していない進治郎に話しかけた。
「あぁ。これはまずい」
これまで、組織の思い通りに行きすぎている。おそらく、俺たちが予定よりもはやく行動し始めるのも予想が付いているんだろう。
「俺たちはどうする」
「警察たちは、一応多少の異能力は覚えたんだろ?」
「あぁ、そうだな」
「じゃあ、組織の捨て駒は彼らに任せるとしよう」
「しかし、幹部やボスはどうする・・・」
「そこが、問題なんだ」
異能力が扱える進治郎と、まだ剣義の初手級の異能力しか扱えないおれでは、組織のトップと太刀打ちするのは難しい。
「だれか、いないのか?」
だれでもいい。少しでも、援軍がいれば・・・。
「私でよければ、着いていきましょうか?」
そのとき、聞き覚えのある声がした。
「お前さんは・・・」
そう。その声の正体というのは。
「新城、知夏」
「名前覚えてくださっていたんですか」
「ま、まぁ。捜査仲間だからな」
「本当か?お前は異能力を扱えるのか?」
「えぇ。扱えます。しかし、そこまで強力と言うわけではありません。・・・が、お役には立てると思います」
「おぉそうか。是非、着いてきてくれたまえ」
「はい。よろしくお願いします」
「ちなみに、その異能力ってなんなんだ?」
「それは・・・そのときになるまでの秘密ですよ」
しかし、重要な援軍として加わってくれるのはありがたい。
「それじゃあ、もう動き出すしかないか」
「だな。俺たちも、始めようか」
これは、俺たち警察と、組織の上層部との、
『異能力の決戦だ』




