探偵
その瞬間、警察がそう僕の家にまで来て申し込んできた。まさか、創世者がやったのか?
「あなたは、ニュースを見られますか?」
「あぁ。最近、自殺のニュースが多く取り上げられているな」
「はい。その件についてです。我々も、少し不可解に思ってきているんです。そこで、何かしら裏があると考えた結果、探偵を雇おうという話になったんです。すると、警視監長がとある人物を派遣したいと言い出しまして」
「そのとある人物こそが、俺っていうことか?」
「はい。無叶大和を派遣しろという命令が下されまして、その経緯で大和様の自宅を訪れました」
「そっか。わかった」
創世者から、お願いまでされているんだ。そんなの、
「やるよ」
承けたわるしかないだろう。
そんなこんなで、俺は一度警察署を訪れていた。何故なら、警視監長と話をするために、どんな人なのだろうか?と、その人物を待っていると、
「やぁ。よろしく」
刹那、俺は唖然とした。だって、
「じゃあ、警備員は一度外に出てくれ」
そそくさと、警備員は部屋を後にして、
「改めて。久しぶりだね。大和」
「お、お前は・・・」
見覚えがある。あのときの、まさか・・・?
「進治郎?」
「うん。そうだよ。君と幼馴染で、異能力の世界で一緒に戦った、陽村 進治郎だよ」
「お前、どうしてここに」
「どうしてって、そりゃあ警察になったからだけど。驚いたか?」
「そりゃあ驚くだろ。じゃあ、俺を派遣したのも、それが理由か?」
「うん。僕は、君が元世界最強だったことを知っているからね」
「でも、俺にはもう異能力はないぞ?」
「ほう。それはどうして?」
「前世で、異能力を封印したんだ。だから、その封印を解くまで俺の異能力は使えないんだよ」
「だったら、今すぐ解いてくれよ」
「お前も覚えているだろう?」
「・・・まぁ、そうだね」
・・・封印魔法。名の通り、異能力を封印できる魔法。協力な魔法を覚えれば、それを永久的に封印することだって出来る。しかし、解除するには、『リセット』を扱う異能力者を見つけないといけない。この世界は、世界最強であった異能力者の俺が、異能力を無くしたことで、異能力を持つ者はいないことになる。せめて言うなら、創世者くらいだろうか。
「おそらく、お前も異能力は持ってないだろ?」
「そうだね。この世界に生まれてから確認してみたけど、異能力が使えなくなっていたね」
「だったら、そういうことだ。この世界で、異能力を解除することは出来ない」
「そうか。わかった。でもとりあえず、探偵として働いてくれるってことでよかったよな?」
「あぁ。それは承知した」
俺には、世界を平和にする義務がある。だから、その裏を突き止めないといけないのだ。
「それじゃあ、早速現場に向かってもらうよ」
そうして俺は、現場に向かうのであった。
そうして、俺は例の現場に来ていた。
「ん。なるほど」
ニュースでしか見てこなかったが、実際目にすると現場は中々凄いものだった。しかし、自殺・・・か。
「これ、何か物は動かしたか?」
「いえ、まだ何も手をつけていません」
手がかりとなるものは、椅子と縄のみ。たしかに、これだけ見れば自殺にも思える。しかし、何かしら証拠があるはず。創世者だって、自殺の度合いは控えてあると言っていた。だったら、連日自殺者が続出するのはおかしい。
「指紋は?」
「これです」
「たしかに、被害者と指紋が一致しているな」
もし、これが他殺の場合、犯人は相当なやり手であることがわかる。
「難しいなぁ」
そういえば、前世でこんな話をされたような・・・。
「今はそれどころじゃないか」
でも、わからんなぁ。と、俺が悩んでいると、
「やっぱりこれは自殺なんじゃないですか?」
「えっと、ごめん。誰?」
「あ、そうでしたね。まだ自己紹介してませんでしたっけ。それじゃあ、改めて紹介します。私、警部の新城 知夏と申します。以後お見知りおきを」
「お願い。んで、なんで自殺だと思うんだ?」
「だって、被害者の指紋と一致しているんですよ?だったら、他殺の可能性は低くないですか?」
たしかに、それは一理ある。ただ、異常が発生しているだけで、本当はただ自殺者が続出しているだけなのかもしれない。でも、だからと言って、必ずしも他殺の可能性は低いとは言えない。何だってそうだろう。決定的な証拠がない限り、それは真実とは言えないのだ。わかりやすく言うと、数学。図形の証明があるだろう。それは、等しい辺や角を合同条件として提示することで、ようやくその図形と図形が等しく合同であることが証明される。
「もうほとんど証拠も出ているみたいなものですし、別の現場に向かいませんか?」
「まぁ、ずっとここで留まっていても仕方ないしな」
結局は、手がかりを見つけるまでは、この事件は終わらない。だったら、他の物件に回った方がマシか?
「でも、自殺者が自殺を行った時間帯は、みんな決まって夜なんですよね。前まではそんな一定の時間に自殺するなんて報告はなかったのに」
「んー、祟りの可能性もあるのか?」
実際に現場に行ってみてわかったが、捜査というのは、中々に難しいものだった。




