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Virann  作者: 柴田優生


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異能力

一人で調査した方が成果を出せることに気づいた俺は、今日も一人で調査を進めていた。しかし、成果は出していると言っても、それほど大きな成果を挙げたわけではない。ただ単に、犯行に及んだ犯人を捕まえただけであって、組織のアジトを見つけたわけでもない。そろそろ、何か大きな情報を抜き出せたらいいんだが。

「聞き込み調査か」

しかし、一般人はまだ自殺の処理しか知らないであろう。ニュースでは、ちょくちょく他殺の報道で入っていると思うが、その報道が一連の自殺事件と関連付いていることは気づいていないだろう。だったら、聞き込み調査を行っても意味ないのか?

「おやおや、悩んでいるようだね」

「あ?って、進治郎かよ」

警視監長である、過去の世界で俺の幼馴染だった、陽村進治郎がお出ました。

「そりゃそうだろ。結局集まった情報は、何もなしじゃないか。俺らとしては、あの世界を経験したが故・・・。平和な世の中を創り上げる指名があるじゃないか」

「まぁ、そうだな」

俺然り、進治郎然り、創世者然り・・・。二度と、あのような戦に明け暮れた世界を招いてはいけないのだ。だから、はやくこの一連の事件を解決して世界平和を取り戻す必要があるのだ。

「今日は、俺も捜査に加わっていいか?」

「いいのか?流石に監長なんだから、色々忙しいんじゃねぇの?」

「そりゃあ、忙しいは忙しいわさ。でも、自分の仕事より、事件の解決だろう」

「そうか。だったら、よろしく」

まず、考慮する点が異能力。あの女が何重もの手袋をはめていたから、異能力でない可能性も多いにあり得るのだが・・・。

「どうにかして、異能力の使用痕跡を調べる方法はないのか?」

あるにはあるんだろう。例えば、普通そんな傷が付くわけがないと言った外傷や、明らかにおかしな割れ方をした地面だとか。そのような痕跡が見つかったら、異能力だと確定できるのだが、

「そういえば、治癒魔法って、人間以外のものにも適応したっけ」

「あー。どうだったかな」

たしか、したと思う。だったら、もし組織の中の人間に治癒魔法を扱う人間がいたら。

「そういうことか」

だったら、証拠隠滅も簡単な話だ。あとは、創世者が言っていた『天使』だ。難易度から聞くに、もし天使がいるなら組織の最上部の人間だろう。

「そうか。少し、わかった気がするぞ」

ただ、まずどうやって異能力の痕跡を調べるか・・・。

「まず、そこからか」

もしかしたら、どこかの図書館に異能力に関する本があったりするんじゃないか?

「おい、進治郎」

「どうした?」

「今から図書館に行くぞ」

「は?いきなりどうして」

そうして俺は、理由を説明した。

「なるほど。あるかもしれない」

「よし。じゃあ探しに行くぞ」

そうして、俺らは図書館へ向かった。


図書館についてすぐ、俺たちは異能力に関する本を探した。あくまで、この世界とあの世界は違う。もしかしたら、過去の世界にはなかった異能力の成分が、この世界であったりするかもしれない。そう考え付いた俺は、本を探すことにした。しかし、

「あった?」

「いや、ないな」

流石に、探してもお目当ての本は見つからなかった。そりゃ、そうか。この世界では異能力は一般化していない。そんな、世に知れ渡っていない本が図書館に堂々とあったら、いけないもんな。

「じゃあ、歴史も一応探すぞ」

「おう」

もしかしたら、過去に異能力を使った歴史があるかもしれない。そう思って俺は探し続けた。すると、

「ん?これか?」

「あったか!?」

「いや、あったわけではないけど・・・」

少し、怪しげな本を見つけた。俺は、その本を手に取り、広げて内容を見ていった。すると、

「おい。進治郎。見ろ」

そこに、書かれてあったのは。

『今から約558年前の1467年。そこに”能邪のうじゃ”という魔術師がいた。その魔術師は、とある田舎の長に”異能力”というものを教え、一時期世に広まり、二人に一人が異能力を持っているような状況にあった。しかし、ある時を境にして、突如現れた怪物が、一瞬の時を経て世界最強へと成り上がった。それにより、段々と、異能力が幻の存在になっていき、遂には誰も異能力を扱うことはなくなった。時は過ぎ、現在。私は、この一説を聞いて、異能力というものに興味を持った。何故、壮大な歴史があったのに、義務教育でこれを教えないのか。疑問に思ったことは、ないだろうか___』

話によると、昔存在した異能力。それに、何故だろうか。この論文を見て、俺は既視感を感じた。何故なら、

「なぁ、大和。この話、お前に似てないか?」

そう。すごく、俺に似ていたのだ。世界最強に成り上がったのと、そこから世界が平和になっていったこと。そして、異能力を扱うものがいなくなったこと。何から何まで、俺が体験した世界と同じだったのだ。まさか。まさかとは思うが・・・。

「なぁ、次は、パラレルワールドについて探してくれ」

「どうして?」

「いいから。もしかしたら、答えに辿り着けそうなんだ」

まさか。とは思うが・・・。そんなことが、あり得るのだろうか?

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