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ジョブチェンジ!  作者: うなぎタコ


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第39話 魔王と国王

 ユウとルイナがAランクに上がった数日後、ユウたち四人は朝から魔王ミリティアに呼ばれ魔王城へ来ていた。


「なぁユウこの服、人間から見て変じゃないか」

「いつも着てる服じゃん。別に何も変じゃないけど・・・そうだね、この花をつけたら可愛くなるんじゃない」


 ユウはミリティアの着ている服の胸元に青い花をつけてあげた。


「なんか今日の魔王様そわそわしてるな」

「今日は魔族を代表として人間の王と対談する日ですから。それにこの対談で人間側と和平を結ぶことができれば魔王様の悲願が達成されますから緊張されているんでしょう」


 そうつぶやいたルイナにメイドのサフィーナが軽く説明してくれていた。その後ルディーナの作った朝食を食べ一息ついた。


「まだ対談までは時間があるな・・・」

「もう、落ち着きなよ。ちょっと外の空気吸ってきなよ」

「うむ・・・そうするか」


 ミリティアは部屋を出てバルコニーから外の花壇を眺め始めた。


「リリィ、対談まであとどれくらい?」

「あと三十分ほどですね」


 人間界の王都カルミアの王宮三階にある大広間で行われる魔王と国王の魔族と人間の共存を目的とした対談は午前中に始まり昼過ぎに終わるスケジュールで人間側の参加者は国王ロズベルド・ハイビス、女王カルミア・ハイビス、王女ローゼル・ハイビス、勇者ゼルデア・ベルエスト、エギル・ベルエストが参加する。そして護衛の騎士数十人が王宮の内と外を巡回し厳重に警備している。

 一方魔族側は魔王ミリティア・ニレナ、メイドのサフィーナ・セレイラ、ルディーナ・セレイラと元王宮魔術師エネシアの作ったゴーレム一体が参加する。ユウたち四人は中立の立場として参加することになっている。


「ふぅ、そろそろ時間だろう。ミゼルディア、王宮の前まで頼む」

「了解しました!」


 ミゼルディアはミリティアに言われた通り王宮前までのワープゲートを開いた。


「さぁ、行くか」


 ミリティアに続くようにユウたちも次々にワープゲートに入っていった。ワープした先は王宮前の門だった。そこにいた騎士にミゼルディアは国王から魔王へ宛てた手紙を見せ王宮の中へ通してもらった。


「お待ちしておりました魔族の王よ。対談の行われる大広間へご案内致します」


 メイドがミリティアに一礼をし三階の大広間に案内した。


「ようこそ人間の国カルミアへ。私はこの国の王ロズベルド・ハイビス」

「私は魔王ミリティア・ニレナ。人間の国へのご招待ありがたく思う」


 二人は互いにあいさつを交わしそれぞれ席に座った。そして人間と魔族の共存をかけた対談が始まった。国王ロズベルト、魔王ミリティアそしてユウの座る席の机に人間側と魔族側両方が提示した和平に関する取り決めの書かれた紙が置かれていた。その内容をお互いに確認し改善案などを話し合って一つの条約として完成させる。それがこの対談の主な目的の一つだ。そして長い話し合いの末ついに人間と魔族の和平条約が完成した。


「まさか人間と和平を結びともに共存できる日が来るとは思っても見なかった」

「これは歴史に残る大きな一歩だ。魔王ミリティアよ、これからもよろしく頼む」


 こうして予定通り対談は終わりこのまま帰れると思ったその時禍々しい煙のような何かが大広間を覆った。その煙を吸い込んだメイドや騎士が次々と倒れ始めた。


「なんだこの煙は・・・とにかく、動けるものは窓と扉を開けろ!」


 その場にいた動ける騎士たちが大慌てで窓と扉を開け煙を外に逃がした。


「いったいどうなってるんだ・・・」


 突然のことで皆騒然とし立ち尽くしていた。その間にも煙は放出され続けていた。


「この煙いったいどこから・・・」

「ご主人様、この煙あちらから出てるみたいです」


 リリィが示した場所は何と勇者エギル・ベルエストが経っている場所だった。


「おい、エギル何してるんだ・・・早くその煙をとめるんだ!」

「魔族滅ぼす・・・魔族滅ぼす・・・」

「どうしたんだ・・・なぁ、エギル」

「魔族・・・滅ぼす!」


 勇者エギルの眼が虚ろになりミリティアに向かって走り出し剣を振った。だがミリティアは何もあせることなくひらりと攻撃を避けて見せた。


「なんの真似だ、勇者よ」

「魔王様、倒れた騎士たちも何か様子が変です」


 煙を吸って倒れていた騎士たちだったがふらりと起き上がったと思ったら皆同じように剣を構えだした。


「なぁ、ユウどうなってるんだ」

「知らないよ。でもあの勇者が身に着けている装備・・・多分あれが原因だと思うよ」


 ユウとミリティアはエギルの身に着けている装備を見た。その装備は一見何の変哲もない装備だがところどころ紫の靄の様な物がかかっていた。


「お父様!お母様!しっかりしてください!」


 涙ぐんだ声で倒れこむロズベルドとカルミアに声をかけているのは王女ローゼルだった。


「この混沌とした状況、一体どうすればいいんだ」

「ミリティア、魔王城へワープゲートを作って!いったんそっちに避難しよう」

「了解した」


 ミリティアは魔王城行きのワープゲートを開いた。


「動ける人はすぐにこのゲートをくぐって!」


 ユウの指示によりルイナ、リリィ、ミゼルディアを始めミリティア、サフィーナ、ルディーナ、ローゼル、勇者ゼルデアがワープゲートをくぐり魔王城へ移動した。


「いったい今、あの王宮で何が起こっているんだ」

「魔王様、あの煙の解析が終りました」


 そう言って白衣を着たエネシアがミリティアの下へやってきた。


「結果は?」

「やはり、呪いでした。そしてあの勇者が身に着けていた装備は呪いの装備で間違いありません」

「呪いか・・・術者は誰だ」

「この呪いの装備の出どころは不明ですがゴーレムが同じような呪いを王都の古びた家から確認しました」


 エネシアは王都の地図を見せ説明した。


「その場所はあの憎い魔女がいた家だ。死してなお、奴は呪いを振りまくのか・・・」


 ミリティアは地図に記された場所を見て憤りを感じていた。


「・・・さて、勇者ゼルデアよあの勇者エギルが身に着けていた呪いの装備について何か知っていることはあるか?」

「心当たりなら一つ。数週間前に突然新しい装備を買ったとか言って自慢してきたことがあったんだが、それ以降さっきみたいなおかしなことは一度もなかったんだ・・・」


 ゼルデアは悔しそうにそう言った。


「そうか数週間前から・・・」

「魔王様、人間界で動きがありました」

「なんだ」

「呪いの力が強まり王都住民にも被害が出ています」

「そうか・・・せっかく和平を結び夢を実現することができたんだ。あの魔女の思い通りにはさせないさ」


 ミリティアは決意を漲らせていた。


「全員この場にいるな。これより魔族と人間の共同戦線の作戦会議を行う」

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