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ジョブチェンジ!  作者: うなぎタコ


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第9話 魔王からの招待状

テフリカから帰ってきて二日が経った。わたしは今ギルドからの依頼で森に魔獣を狩りに来ている。


「おぉ、ホントに真上に撃っても矢が全部魔獣に当たる!」


 矢を真上に撃っても魔獣に当たるのはわたしのスキルジョブチェンジ!【ハンター】による力の一つだ。すべての射撃物に対して命中補正がかかり視界に入ったターゲットに必ず命中するようになるかなりチートな能力だ。後、跳躍力が上がり15メートルくらいの高さの壁なら飛び越えれるようになった。


「依頼にあった魔獣も片づけたしギルドに報告して帰ろ。ってあんなところに人と魔獣!?」


 ギルドハウスのある村に帰ろうと振り返ると視界の先に水色のツインテールの少女が三匹の狼型の魔獣に攻めよられていた。

 わたしはすぐに弓に矢を三本セットして魔獣目掛けて放った。放たれた矢はすべて魔獣に命中し少女を助けることができた。


「大丈夫?怪我はない?」

「はい、おかげさまで傷一つありません」


 少女はフリルのついたロングスカートついた土埃を払いこちらに振り返る。


「ところであなたはどうしてこの森に居るのもしかして迷子?」

「なっ、迷子とは失礼な。この近くのマトラ村と言う所に行こうとしたらいつの間にかこの森に来ていただけです」

「それを迷子って言うんだけどなぁ」

「迷子じゃありません!」


 少女は目を泳がせながら答える。


「マトラ村ってこれからわたしも行くところだよ。よかったら一緒に行く?」

「是非お願いします!」


 わたしの顔に近づき手を握った。やっぱり迷子だったじゃん。


「あ、自己紹介がまだでしたね。私はサフィーナ・セレイラです」

「ユウだよ、よろしくね。それじゃあ行こうか」


 わたし達は雑談をしながら森を抜け村に着いた。どうやらサフィーナはある手紙をギルドに私に行くようだ。ここのギルドは元居た世界で言う所の郵便局のような役割も持っていて他にも住民登録や商人登録なんかもできる。


「着いた!ここがこの村のギルドハウスだよ」


 ギルドハウスの扉を開け受付のお姉さんのところまでサフィーナを案内した。わたしは別の窓口で魔獣の討伐報告をしに行った


「この手紙の配達をお願いします。えっと宛先は・・・ユウ!?」


 サフィーナは送り主から渡された宛先が書かれたメモを見て驚いた声を出した。


「おーいサフィーナ手紙渡せた?ってあれ、どうしたの」


 サフィーナは手紙とメモをもってゆっくりこっちへ歩きだした。


「この手紙はあなた宛てでした」

「あはは、だいぶ遠回りしっちゃったね」


 サフィーナから手紙の入った黒い封筒を受け取りギルドハウスを後にした。


「ねえ、サフィーナちょうどお昼時だしあそこのパン屋さんで何か食べない?」

「そうですね、確かにお腹は空きましたし行ってみましょう」


 二人で村一番のパン屋で名物の甲羅パンを買って外で食べた。


「おいしいですねこれ!サクサクしてふわふわで」


 甲羅パンを一口食べたサフィーナは目を輝かせ一口もう一口と食べ進めた。

 おいしくて夢中で食べていたらあっという間に二人とも甲羅パンを食べ終えてしまった。


「では、私は帰りますね。甲羅パンごちそうさまでした」


 サフィーナはわたしにお辞儀をして村を去っていた。

 わたしも黒い封筒をもって家に帰った。


「お帰りなさいませご主人様・・・そ、その手に持っている黒い封筒はなんですか」

「あーこれ、サフィーナっていう女の子から貰ったんだ」


 リリィに黒い封筒を手渡した。


「ご、ご主人様こ、これ、魔王様からですよ」


 一瞬にしてその場が凍り付いた。魔王、それは魔族をすべる者。それは人類を滅ぼす者。そんな奴から届いたのだ。


「何をやらかしたのだユウ」

「ユウさんもしかして魔王様に不敬を・・・」

「何もしてないよ!それにわたしまだ魔王にすら会った事ないのに」

「とりあえず中に何が入ってるか開けてみませんか」


 リリィの一言により黒い封筒を開けることになった。中には手紙と四枚の招待状が入っていた。手紙には『一週間後の夜にある私の魔王就任式にユウとその家族を特別に招待しよう。もう一度ユウに会えるのを楽しみにしているよ。 ―ミリティア・ニレナ― 』と書かれていた。


「まさか、ミリティアが魔王になるなんて」

「会ったことがあるのか」

「テフリカに行った時に一度だけ・・・」


 テフリカでミリティアに会った時の事を思い出し寒気がした。


「それはそうと皆さんはドレスを持ってますか」

「いや、持ってないけどもしかしてドレスコードとかあるの」

「もちろんですちゃんとした服を着ないと首が飛びます」


 それを聞いたルイナとミゼルディアは頭を抱えていた。


「ちなみにリリィはもってるのドレス」

「・・・持ってませんよ」


 リリィは目をそらし四人の間に重い空気が漂い始めた。


「じゃあみんなの分のドレス作ろうか」

「本当に作れるのか」

「この家を作ったのはわたしだよドレスくらいあっという間よ」


 その一言でさっきまで沈んでいた空気が和らいだ。

 次の日から四人分のドレスを作るためわたしはすぐに作業を開始した。まずテフリカに行きシルクを買いドレスを作るために全員の採寸を済ませた。そしてジョブチェンジ!【縫製士】で四日かけてドレスを作り上げた。

 ルイナのドレスは薄い赤を基調とし花柄の装飾をつけている。リリィは紫を基調とし猫のシルエットの装飾が施してある。ミゼルディアのは紺色を基調とし三日月の装飾をつけている。わたしのは緑を基調としクローバーの装飾が施されている。 これで二日後の魔王就任式に間に合った。後は当日を待つだけだ。


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