第6話 燕の豪傑、その強さを見せつける。
誤字・脱字・不明な表現等があればコメント欄でご指摘お願いします。
登場してくる偉人たちは筆者のイメージに則しているので、歴史的事実や最新の研究内容とは異なっている場合がありますが、予めご了承下さい。
3人が僕の方へ引き揚げようとすると、奥の方からとてつもない咆哮が聞こえた。
巨大な剣を持った羊頭の魔族が何かを叫びながらこちらへやってくる。身の丈は僕の倍以上あるだろうか、とてつもない巨体だ。
「おうおう、大将がおいでなすったぜ」
そんな化け物を見ても、張飛はひるむどころかそのどんぐり眼をらんらんと輝かせている。
「ほう、今までの相手も人ならざるものではあったが、あやつは別格だな。面白い!」
関羽も立派な髭をなでながらニヤリと笑う。
「長兄、ここは我らにお任せを!」
「わかった、無理はするなよ。」
2人は劉備に声をかけると、それぞれ得物を手に走り出し、羊頭に切りかかった。
羊頭も、手に持った巨大な剣を振りかぶって突進する。羊頭が振り下ろした剣を張飛が受け止めるが、あまりの威力に数歩下がってしまう。
「でかい図体してやるじゃねぇか!!兄貴、こいつ力だけなら呂布並みだぜ!」
すかさず、横から関羽が切りかかると、今度はそれを剣で受け止めた羊頭が後退した。
「確かに、力だけならな!!だが、呂布はこんなものではなかったぞ!」
「違ぇねぇや」
羊頭はその後も2、3度2人と切り結んだが、張飛に剣撃を弾かれ、関羽に首を刎ねられた。
頭部を切り落とされた首から噴水の様に血をまき散らしながら、羊男の巨体がゆっくりと崩れていく。
信じられない。王都の騎士団でも苦戦する様な魔族の一軍をたった3人で撃退してしまった。
その後、僕は3人の労をねぎらい、怪我をした村民の手当てをして、ひとまずその晩はみんなで集まって夜を明かすことにした。
翌日、改めて昨夜の襲撃の後始末を行った。
結局、3人の村民が犠牲になり、6人が怪我をした。幸いだったのは、怪我をした6人はいずれも軽症で、まともな医者のいない子の村でもなんとか治療できる程度だった。
逆に、撃退した魔族の数は羊頭が1、豚鬼が6、小鬼が28。それに魔物は闇牙猪が4、双頭狼が3と、併せるとかなりの数に上った。
エドモンドは撃退した魔族の数に驚愕し、言葉を失ったほどだ。この数なら、僕たちも含めて皆殺しにされていても何の不思議もない。
それ以上に驚いたのは、張飛が闇牙猪を食べよう、と言い出したことだ。
ご拝読ありがとうございます。
もしよろしければ、感想コメントをお願いいたします。