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ゼロから学ぶハリウッドストーリー創作講座  作者: 森本純輝
序章 ストーリーとは
9/20

1 ストーリーとは「変化」である

前回にもお伝えした通り、ここから改めて記事の内容を一新しようと思う。

「ゼロからわかるストーリー創作講座」というタイトルの意味を全うするためにも初心者の方からでも分かるような内容にする必要があるからだ。

順番的には目次にもある通り、「構造」から始まり、それに続いて「テーマ」「アイディア」「構築」「キャッチフレーズ」「執筆」「推敲」という流れで汲んでいく。

大雑把な区分けでは「構造」「構築」「執筆」「推敲」という四段階から構成されるのだが、創作する上で特に重要な実践的項目「構築」をより詳しく細かく理解して頂くために、前後にいくつかに細分化させることにした。


「構築」は実際にストーリーを創作する工程であり、その前に「構造」が来るのはストーリーが体系的に動く仕組みを理解した上で「構築」に取り組んだ方が遥かに生産性の取れた創作が可能になるからだ。換言すればこの「構造」という仕組みを知っておかないと「構築」という作り方に困ってしまうからだ。


すぐにでも執筆したいお気持ちはよく分かる。しかし、家を建てるにはその設計図が必要なように小説にも「骨組みとその縮図」が必要不可欠であり、どんなに最低限でもある程度の計画を立てることはより良い作品を生み出すための最良の盤石な基盤を作ってくれるのだ。


時間のかかる工程かもしれないが、正しい順を追っていけば作家としてのスタートラインに必ず立つことができる。


「心得がもたらす恩恵とは」にも書いたが、創作というものは非常に凝った作品を短期間で生み出せるほど安易に完成できる作業ではない。忍耐を重ねて醸成させ、一重に作品に対する愛情を育んでいくことでやがて「やり切った」という確固たる揺るぎない自信と次のステージへの起爆剤が生まれる。日の目を見るためにも一つ一つの工程をゆっくりとでいいので咀嚼しきろう。

その果てには必ずあなただけが一望できる景色が広がっているはずだ。


今回お伝えする内容であるストーリーの定義、つまり「ストーリーとは何か」という問いと、それを形作る「問題提起」は、ストーリーを創作する上で生じる様々な工程を最も最小の形にして簡略化した考えであり、また「構築」に始まる一からの創作手順の一番最初のステップとして認識しておくべきポイントである。創作の途中で迷走してしまったりしても、原点であるこの地点を押さえておけば、それまでのプロットを崩すことなくそこから派生して順番に工程を確認することができ、その過程で行き詰まっていた問題点を発見することもできる。それだけでなく、この考え自体を創作における随所で発生する「なぜそれが必要なのか」といった問いに変えて応用することも可能な、万能な起点でもある。それほど重要な基礎中の基礎である。


では、改めて「ストーリーとは何か」という問いについて迫っていこう。

ストーリーと呼ばれているものを一言で表現するならば、それは「変化」だと前回では述べた。今回は前回解説に使った言葉にもう少し詳細を付け加えて説明しよう。


ストーリー=変化という式に定義づけることができるのは、ストーリーとは「出来事の連なり」であり、その一つ一つの出来事が意味していることが時を経るにつれて変わっていくからだ。そのような意味においてストーリーとは「変化」と言える。


この意味での「変化」という言葉をもっと詳しく説明するなら、一つの要素がある特定の過程、つまり出来事の変遷を経て別の要素へと「変わる」ことを意味すると言えよう。ここでの要素とはストーリー上の主人公だったり、彼を取り巻く環境(世界が危機に陥るというような、ハリウッドでよく使われる作風では、例えば地球環境が変わるなどといったもの)だったり、様々である。


出来事の変遷というのは、何らかの「原因」が連続した出来事を起こし、それが一つの「結果」として落ち着くことを意味する。


つまり「変化」には「原因」と「結果」があり、「原因」と「結果」で起きた前後の要素が異なるのであれば、その間にはその両者を繋ぐ「グラデーション」がなければならない。


赤が急に青に変わったりはしないように、両者が異なっていながらもそれらに関連性があることを示す道筋や過程、つまり紫という「プロセス」が必要となる。この「プロセス」が「グラデーション」であり、「変化」だと言えるだろう。よってそのような意味でストーリーを「変化」と定義することができる。


この記事は元々一つにまとめられたものだったが、内容をシンプルに分けるため、二つに分けることにした。


次回は「変化を構成する問題提起」というタイトルで、ストーリーという「変化」はどのようにして生じるのか?という点に迫っていきたいと思う。




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