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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
追憶の母

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エンジン

(まさか、帰らせられるとはね…………)


 一人、1DKのアパートに帰ってきたグラジオラス改め守美子は、自嘲気味に考える。

 ぼすり、とベッドに倒れ込む。それだけで、どれ程楽になったことか。

 自嘲の念は更に深まる。


(惨めね。本当に、力がないならせめて最大のパフォーマンスを発揮できなければいけないのに……)


 目先のことを一切考えられないのなら、戦闘など止めてしまえ。

 守美子の持論ではある。


 戦闘行為、特に長期戦において、ペース配分はとても大事だ。

 一挙手一投足すべてを全力で行っていたら、すぐに死ぬ。

 戦闘において、相手の行動を読むのもそうだが、その後の見通しというのは見れなくてはならないものであろう。

 守美子もそれは認めざるを得ない。


 逆に、今後のことばかりを考えて、全力を出し絞りすぎると、怪我などが増えて、考えていたその後の流れを実行できない、ということになり得る。


 だから、今と未来のバランスが重要なのだと守美子は思う。

 どちらに偏りすぎるのも良くない。

 適切な時に適切なレベルで実行する。


 ある意味、セージゲイズの魔力制御がそれに当たるだろう。

 彼女は徹底的な効率化により、パフォーマンスを十分以上に保ちながら、消耗を限界まで削る。

 今と未来を両立させているとさえ、言える。


 だが、全員が全員、彼女のように出来るわけがない。

 特に守美子は昔からペース配分が苦手な部類なのだ。

 魔法少女になってからは多少は緩和されたが、それも精神状態によってはすぐに顔を出す。

 基本的なオン・オフは可能だが(寧ろそれがないのは日常生活においてもかなり危険だろう)、調節を行えない。一切行えないわけではないが、無意識的には難しい。


 今回の無茶な訓練がそれに当たる。

 今日だけならまだマシかも知れないが、守美子の訓練は()()()()()()続いている。


 兎に角、アクセルをべた踏みしたあとに起こることなど、決まって燃料切れだ。

 守美子はすぐに夜の静けさに落ちていって、その日は夢を見ることが無かった。


 少なくとも、()()()()()()()()()()

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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