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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
追憶の母

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疾風迅雷

タイトルってつけるの難しいですよね。

内容を一言で表すのは至難の業。


総pv数10000超えました。

ありがとうございます。

「猛れ、稲妻よ」


 エレクの魔法が魔物に殺到する。

 態々唱える詠唱に意味など無い。


 一応、言葉にする事で魔法のイメージ喚起をしやすくすると言った効果は無いわけではないが、エレクは同じような魔法でも言葉がちょくちょく違う為、完全に趣味だ。


 エレクの数歩後ろでセージゲイズは微笑ましいような、背中が痒くなるからやめてほしいような、何とも言い難い表情をしながら、器用にいくつもの魔力弾を操り、魔物の攻撃の尽くを打ち払っていた。


 今回、エレク、セージゲイズ、両名が交戦している魔物は、大型の鹿を模したものだ。

 その魔物の角は強靭、大質量、鋭利という最悪レベルのもので、セージゲイズの魔力弾の火力では一度の攻撃を食い止めるのに、2から3発を要する。


 だが、そこは、街一番の魔力制御力をもつ者、自身らの周囲を旋回させる大量の魔力弾を複数同時に操り、敵の妨害、エレクの攻撃支援などを一手に担っている。


 そして、エレクはというと――


「疾く這え、紫電よ。汝は万物を焦がすもの」


 割とノリノリで、攻撃魔法を連射する。防御はセージゲイズ頼り、というよりも、防御の一切を相棒に任せ、敵の最速での殲滅を目指す。


 仮にも緊急事にノリノリでやるのは流石に止めようかとも思ったが、こういう状態のエレクの魔法は普段より威力、精度共に高い為、セージゲイズは言うに言えないでいる。


「……はあ、まったく。……『地を焦がす篝火(フレアフィールド)』」


 エレクが紫電を地面に沿わせる形で、魔物に足下から叩き込む。魔物は、衝撃にバランスを崩す。

 そこで、『地を焦がす篝火(フレアフィールド)』が発動し、崩れたバランスを取り戻そうと踏ん張った魔物の足を焼く。


 焼かれた鹿肉の匂いが仄かにして、揃って微妙に嫌そうな顔をする。何もそこまで動物を再現しなくていいのに。


 超人的な身体能力を持ち、魔法を手繰る魔法少女とて、人間だ。特に育ち盛りな年齢の魔法少女は、軒並み燃費が悪い。後衛だろうと近接戦闘訓練は欠かせないのだから、当然と言えばその通りなのだが。


((帰ったら、ご飯にしよう))

 2人の心のうちは悲しいほどに一致した。


 それはそれとして、足を焼かれた魔物(もみじ)は怒りに任せるかのように角での攻撃を試みる。


 エレクは身体を魔力で覆い尽くして、大きくバックジャンプ。紫電が空気に溶けて消える。

 そこを穿つはセージゲイズの魔力弾。連続して放たれたそれらは正確に魔物の動きを鈍らせる。


 瞬間、動きを鈍らされながらも角を、首を振り切った魔物の眼前に打って変わって、セージゲイズが飛び込む。彼女の右手からは、剣のように炎が吹き上がる。


 斬、と一閃。魔物の魔力を、皮膚を尽く焼き焦がす。

 その一撃は、魔物を即死させるには十分な火力を誇る、セージゲイズの近接攻撃最高火力、『炎剣(バーニングエッジ)』だ。


 因みになぜ解析系統の魔法に適正が偏っているセージゲイズが使う攻撃魔法が火属性に偏っているのか。

 それは、彼女の、彼女たちの願いが魔法の適正に影響を与えるからだ。


 魔法少女の魔法適正は通常、魔力特性によるものなのだが、実は魔法少女たちの願いの方向性も魔法適性に関係してくる。


 セージゲイズの魔力特性は『見識』。解析系統の魔法に適性がある特性。

 だが、彼女は願いにより、火属性の適性を得た。

 その為、他属性に比べて威力、燃費ともに上なのだ。


 閑話休題。


 討伐を終えたセージゲイズ、エレク両名は魔物の死体などは魔法局の死体回収班に任せて、薄暗く闇に染まった街を駆ける。

 魔力特性『紫電』により身体強化を図るとスピード特化になるエレクと、繊細な魔力操作で必要な部位に必要なだけ魔力を込めることで最高効率を叩き出すセージゲイズは走行速度が街のツートップだ。(そもそも人数が少ないが、一応ラークスパーよりも速い)


 そんな二人が現場に急行する。

 街の直径が10kmちょうどなので(街を覆う結界のサイズに揃えられている)、二人が先程までいた街の西側から、ガルライディア、グラジオラス両名が向かった街の南側まで7.7km程の距離を彼女たちは僅か8分で走れる。


 彼女らは、白と黒の風となった。



メイン魔法少女たち走行速度

セージゲイズ(歩幅と魔力制御)≧エレク(魔力特性)>グラジオラス(歩幅と身体能力)>ガルライディア(身長最低 特性関係なし 身体能力最低)

ガルライディアがいくら近接戦闘もするからって、鍛え始めて2ヶ月でどうこう出来るわけないじゃないですか。


お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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