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シミュレーション開始

遅くなり、申し訳ありません。

 グラジオラスに押される形でガルライディアは初のシミュレーション戦闘を行おうとしていた。というより、半ば強制的にやることになった。


「魔物の強さは六段階で表されています。これは、教えましたね」


 ガルライディアは頷く。

 先の魔物の説明にもあったからだ。


 魔物の強さは下から、Eランク、Dランク、Cランク、Bランク、Aランク、そしてSランクといったように段階的に表される。


 とは言え、Sランクに認定された魔物は歴史上(魔物が出現して30年しか経っていないが)二体しかいない為、実質五段階なのだが。


「先程、ガルライディアさんが倒されたのは、Eランクの魔物。今回行うのは同じEランクの魔物とのシミュレーション、尚且つ魔物の攻撃では痛みを感じないように設定します。……が、油断せずに頑張ってください」


 グラジオラスは笑みを浮かべながら、そう言った。

 若干、目がギラついているが。


「うん、よろしくお願いします」


 ガルライディアは痛みを感じない事の影響か先程よりは乗気のようだ。ただ、少しだけ瞳に諦観の想いが宿っていることはグラジオラスには気づかれなかった。


「ああ、そうそう。ガルライディア、僕は今回は協力しないから、一人で頑張ってね」


 不意に、未だガルライディアの肩に乗っていたアッシュがそんなことを言う。


「え?ど、どういう事?」


 思いの外、ガルライディアは動揺した。


「ごめん、伝え忘れていたね。そもそも僕達は適正のある子達を魔法少女にスカウトしたり、街の近くに魔物が出現したら、それを確認して魔法少女に伝えたりするのが仕事でね」


 アッシュはガルライディアが理解しやすいようにゆっくりと話をする。


「だから、魔物の討伐は魔法少女任せになってしまうんだ。近くにいたら、協力はするけどね」


 つまり、シミュレーションは一人でやれとアッシュはいっているのだ。

 一通りの説明を終えた途端、アッシュはガルライディアの肩から、飛び降りた。


「あ、……」


 ガルライディアは小さく声を漏らす。

 だが、先のグラジオラスの戦いに触発されたのか、真剣な表情を浮かべた。


「グラジオラスさん、お願いします」


 グラジオラスはその言葉を聞き、シミュレーションを開始した。


 ____________


 ガルライディアの目の前に現れたのは、猪の姿をした魔物。

 ガルライディアはすぐさま右手の拳銃に魔力を込めて、発泡。しかし、猪型の魔物はそれを回避する。ガルライディアの狙いが甘かったのは否めない。


 ただ、魔物が猪のような俊敏な動物を模していなければ、少なくとも命中はしていた。


 魔物の強さ、ランク付とは基本的に魔力量などで区別されている。要は、魔物が模した動物の身体能力などはランク付に関係がない。


 それはすなわち、同ランクでも、元の動物によって戦闘能力、特徴、何もかも異なるという事だ。

 しかも、魔物はその身に宿す魔力によって身体能力や耐久性などが爆発的に強まっている。


 ガルライディアの攻撃を避けた魔物がガルライディアに向けて、その力を解放した。



お読みいただきありがとうございます。

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