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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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収束則 Ⅶ

祝6000pv!!

「......は?」


 さも素朴な疑問と言った風に、彼の魔法犯罪者(仮定)は手脚を止めて、そう問うた。


「いや、必要無いでしょう............」


 グラジオラスの至極最もなツッコミ。

 現行犯と警察が挨拶を交わさない事と同義、する訳が無いのである。

 そもそも何故名前を聞くのか。

 ばっさり断り、ついでに身体も()()()()やろうとした所で、セージゲイズから『念話』、魔力による双方の思念伝達用の魔法がグラジオラスに届いた。


『ここは、相手に合わせた方が良いわ。まだ、避難していない人が周りにいる。それも結構数』


 グラジオラスはダイバーから目を離せない為に直接確認は出来ないが、彼女らの周りには多数の一般市民がいる。

 ある者は、負傷から逃げられず。

 ある者は、負傷した者を抱えたり、支えたりとそう速くは動けず。

 また、ある者は、戦いの様子を観察しており、逃げる気が無く。


 特に最後の野次馬は厄介だ。魔法少女からすれば邪魔者でしか無いのだから。

 偶にメディア関係者が混じっていて、メディア露出をしたがる魔法少女からすれば、彼らはその限りでは無いのだが。


 そもそも、グラジオラス、エレク、セージゲイズの3名、ついでにガルライディアも含めて、メディア露出は嫌なので、ただただ厄介なだけだが。


 せめて近づいて来るな。

 それがその場にいる3人の総意だった。


 閑話休題。


「ククク、クハハハハハハッ」


 ダイバーの言葉を聞いて、堪えられなくなったかの様に、エレクは中々香ばしい感じで笑い出した。

 グラジオラスとセージゲイズからしてみれば、緊急時でなければ即刻止めていただろう。


「そうか。我らが名を望むか。……では、篤と聞け」


 前フリの最中にエレクから2人に『念話』が届いた。


『2人も、なるべく、引き伸ばして』


 遂に来てしまった。半ば悪ノリで決められた名乗りを上げる時が。正直なところ一生涯来なくて良かった。


 エレクが金糸を靡かせ、くるりと回る。

 一回転の後、円運動を杖に繋げて、頭上で3回。

 トンっ、と地に突き立て、口上を口に。


「紫電の魔法少女 エレクトロキュート・イグジステント。我名を刻め」


 バチリと微量の紫電を弾かせて、彼女は威風堂々と。


「……はあ、仕方ないか」


 溜息を1つ。彼女は意識を切り替える。


「見識の魔法少女 セージゲイズ。大人しく暴かれなさい」


 エレクとは違い、動作一つ無く、けれど、彼女の瞳は敵を睨め付ける。


「堅固の魔法少女 グラジオラス。私は誰にも殺されない」


 思わぬ事態に解いてしまった構えを直し、

 その際、チャキリと鉄が鳴る。


 ダイバーの要求に応えて、一拍。

 彼とグラジオラスは、ほぼ同時に地を蹴った。


 キリングレンジに達するや否や、斬撃と打撃の応酬が始まった。

 両者の攻撃が幾度となくぶつかり合うなか、セージゲイズもエレクも、各々に出来る事を始めていた。


「『魔を垣間見る(スペル・スコープ)』」


 ダイバーとグラジオラスが足を止め、撃ち合いを始めた直後、セージゲイズが魔法を再度発動。


 ダイバーが名乗るように言っていた間に魔力特性などを見極められれば良かったのだが、魔法せめて魔力が目視出来ない限り、不可能。

 先程はダイバーが魔力を纏ってはいなかったため、魔法を止めていたのだ。


 また、相手の魔力の性質を見極めるのは、相手を視界に収めていないと困難を極める。

 グラジオラスに釘付けになっている今現在は絶好の機会と言える。


 一方、エレクはというと、


(もっと…‥もっと……もっと……防御を突破出来る様に)


 大量の魔力を魔法具(ケラウノス)に込めながら、圧縮していく。

 先の紫電を掻き消した何かしらをも、容易に打ち抜けるように。一撃で決着をつける為に。


 ただし、相手に悟られてはいけない。

 全力で隠し通し、完璧なタイミングで。

 一撃必殺とする。

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