収束則 Ⅳ
煌々と輝く陽光に照らされた、土曜日の朝。
結はいつもと変わらぬ時間に目を覚ました。
余談だが、結の起床時間は平日休日問わず、体調によって多少の変化はあるものの、基本的には一定である。
午前6時30分、結の体内時計は矢鱈と正確なのだ。
マギホンにて、時間を確認するついでにメールなども確認する。
アッシュ含む登録している者からのメールは無かった。
特にアッシュからのものは無いなら無いで構わない。
寝衣を脱いで、服を着替える。
7月真っ只中で30度を超えると予報されていた為に、結は白の袖無しのワンピースを着用した。
白色は光の反射率が高い為、黒などに比べて熱を吸収しづらいのだ。
結は昔から割合と雑学等が好きなのだった。
階段を降りて、服を洗濯機横の籠に入れる。
そのまま、顔を洗った後にリビングへ。
「結、おはよう」
いち早く結に気が付いた昌継。
何やら雑誌を前に真剣な表情をしている。
「おはよう、何見てるの?」
昌継の前の雑誌は、どちらかと言えば女性向け。
それが結からすれば疑問なのだ。
昌継は、香織の様子をチラチラと見ながら、結に耳打ちをした。
「ああ、これはね、香織さんとの記念日に何か渡せないかなとね」
矢鱈と記念日を作りたがる昌継は、近々ある何かしらの記念日に何か贈り物をしたいらしく、結から意見を聞きたいとのこと。
結は喜んでその話を受けた。両親が仲良しなのは結としてはそれ以上に無いほど嬉しいのだ。
ご飯を食べて、なんてこと無い会話で笑い合って。
そんな日常を犯すのはこれまたなんてこと無い事なのだ。
結のマギホンが鈍く震える。いつもよりもその音が重々しく聞こえた。
アッシュからの連絡がついに届いた。
それにより、結は『収束』の真実を知る。
その直後、ドンーーと衝撃が奔った。




