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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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死の感覚 Ⅱ

見返すとあまりに酷い出来だった為、掲示板回を削除致しました。

ちゃんと掲示板について学んでから次回は書きます。

(作者は掲示板を見た事が無いのです)

 ガルライディアが現場に近づくにつれて聴こえるようになったサイレン音と人々の叫び。


「酷い……」


 無惨にも壊された住宅街、抉られた道路の上にそれはいた。

 形状は、狼に近い。前脚を振りかぶる魔物の前には、男性が――


「ダメェェッ!」


 認識と同時に発砲。

 幸いにも、殆ど狙わずに撃った魔弾は魔物の背に叩きつけられ、ほんの少量の鮮血が散る。


 魔物の意識がガルライディアに向くのと、ガルライディアが地に降りるのとは、全くの同時。


「逃げて下さいっ!」


 魔物から視線を動かさずに叫ぶように言う。

 男性が覚束ない足取りでその場を離れ、残るはガルライディアと魔物のみ。


 ガルライディアは、『フライクーゲル』二丁を構えて動かない。

 魔物は、機を伺うが如く唸り声をあげる。


「――ッ!」


「グルアァッ!」


 先に動いたのは魔狼。その魔力を纏い、より破壊力の増した鋭爪を以てガルライディアを切り裂きに掛かる。


 魔狼に数瞬遅れて反応するガルライディア。右手の拳銃に魔力を込めて、接近して来る魔狼に向けて放つ。


「『爆裂(ブラスト)』!!」


 魔狼は迫り来る魔弾をその圧倒的な敏捷性を以て躱す。

爆裂(ブラスト)』は、接触しなければ爆発しない。

 そのままガルライディアの目の前に辿り着く。


 響く轟音。

 身体を駆け抜ける激痛と衝撃。


「ぐっ、うぅ……」


 ガルライディアは、迫る魔狼の爪に対して腕だけだが間に合せていた。

 それでも、左腕の二の腕辺りから血が流れ落ち、威力を殺し切れずに建物に激突。瓦礫に半ば埋もれる形となった。


(抜け、られない?!)


 瓦礫の下から腕を引き抜こうにも、一向に手応えがない。

 顔の辺りは露出している為、呼吸に問題が無いのが不幸中の幸いか。


(どうして、魔法はっ)


 焦っても良い事は無いと分かっていても、募るばかり。


 魔法少女が常に纏っている魔法の中で物理に関係のあるものは、身体強化と対物結界の2つ。


 件の対物結界によって、瓦礫の下敷きになろうともガルライディアに怪我は無い。だが、対物結界に飛来物を跳ね返すような効果は無い。


 身体強化の方は、いくら魔法の力があろうとも元は小学生女子の身体能力。瓦礫を下から持ち上げる程の出力は出ないのだ。


 それでも、何とか抜け出そうとガルライディアは試みる。

 けれども、効果はない。


「――うわあぁあぁぁっ」


 ガルライディアの耳に叫び声、もしくは悲鳴が届く。

 瓦礫と埋もれた腕に向けていた視線を動かすと、

 そこには先の再現か前脚を振りかぶる魔狼と襲われている男性、同じ人が狙われたようだ、の姿があった。


「ああぁぁあぁっっ!!」


 少女の絶叫が響き、直後爆音。

 ガルライディアは『爆裂(ブラスト)』で自身を巻き込む形で瓦礫を吹き飛ばす。


 全身が軋みを上げるがこの際無視。

 爆発の勢いのままガルライディアは魔狼に突っ込んで、


 ぴしゃり


 彼女の顔に赤が散る。

読んで頂きありがとうございます。

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