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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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近接と名乗り Ⅱ

 グラジオラスは、ガルライディアに急速接近しつつ、右手及び小太刀に魔力を集中させた。


 先程よりも強い光が右肩から小太刀までを覆う。


 そして、走る勢いのままにガルライディアの放った『貫通(ペネトレート)』に全力の突きを叩き込む。


「しゃああぁぁあ!」


 雄叫びが響き、赤の閃光は散り散りになった。

 グラジオラスは、『貫通(ペネトレート)』を逆に貫通して、ガルライディアに肉薄する。


 そのまま、首元に刃を突きつけた。


「……参りました……」


 ガルライディアが降参して、戦い(模擬戦)は幕を閉じた。



 模擬戦を終え、数分後、訓練場の一角にて、2人は反省会を開いていた。そこには、模擬戦を観戦していたエレクとセージゲイズの姿もあった。

 グラジオラスが2人に意見を求める。


「率直に言わせてもらうわ」


 セージゲイズは、そう前置きして、


「ガルライディアは、照準を合わせる動作が甘い。感情の制御が甘い。相手に動揺を知らせてはダメ」


 実に耳の痛い話だった。


「それと、魔力制御もまだまだだけれど、歴が浅いから、こればかりは仕様が無いわ。制御訓練を続けなさい」


「は、い……」


 容赦の無い言葉に凹むガルライディア。


「練習すれば直せるところだから、時間の問題ね」


 見るからに落ち込んでいる様子を見て、セージゲイズはフォローを口にする。


 数泊置いて、グラジオラスに視線を向ける。


「グラジオラスも、魔力制御ね。より細かく言えば出力の調節が甘いわ。まだ少し過剰ね」


「やはりですか。……エレク、後で付き合って下さい」


 暫しの黙考の後、グラジオラスはエレクに頼む。


「お主、稲妻を斬るつもりか?ガルライディアがこの場合適――」


 厨二口調(少し素が出ている)で断ろうとして、グラジオラスと視線が交わる。


「いや、付き合おう」


 含みのある瞳に半ば押される形で了承する。


 そのまま反省会は続き、各自訓練を始めようとして、


「あの、エレクさん。模擬戦お願いします」


 エレクは、ガルライディアにそう呼び止められた。


「ガルライディア、今日は止めておけ」


 素気無く断ったが。


「グラジオラスとの模擬戦での問題点を多少なりとも改善してからなら、付き合おう」


 エレクとしては、訓練は模擬戦->問題点の修正->模擬戦……というふうに行うべきだと考えている。

 それ故に断った。ガルライディアにも説明がなされたのだが。


「でも……」


 なおも渋るガルライディア。

 その様子を見て、先のグラジオラスの視線の意味を少しずつ理解し出した。

 なので、ガルライディアを訓練から離す為に、


「グラジオラス、セージゲイズ。一度集まってくれ」


 まずは反省会をした場所まで他3人を伴い戻る。


 そして、


「我々は、魔法少女として大切な事を忘れていた」


 そう言いつつ、エレクはマギホンを示した。

 そこには、魔法少女のホームページが、正確には物販のページが映し出されている。


「これがどうかしましたか?」


 魔法局の資金繰りの一環として行われている魔法少女のグッズ展開。

 支部ごとに所属する魔法少女モチーフのグッズを子供向けに販売しているのだが、それと”大切な事“に何の関係があるのかと、グラジオラスは思案する。


 エレクが他2人を確認したところ、

 ガルライディアは一切思い至って無いようだ。

 セージゲイズはというと、げんなりとしている。思い当たる節があったのだろう。


「魔法少女のグッズ展開は、魔法局にとって重要な収入源だ。我々にも多少なりとも還元される。ただし、この支部のグッズ収入は、他の支部よりも少ないのだ」


 エレクは、答えを示すために前提となる話をする。


「何故か。我々のメディアへの露出が少ないからだ」


 傾向として、メディア露出、細かく言えばニュース番組で話に上がるとかではなく、動画投稿などが少ないのだ。


 そのようなメディア露出は、ファンの獲得、ひいてはファンサに繋がる。


「つまり、我々は応援、支援に応えなければならない」


 前述の内容がエレクから成され(誇張込み)、


「変身後の口上を考えよう!」


 その解決策の第一歩目がエレクの口から(建前として)提示された。




読んで頂きありがとうございます。


変身口上のあたりに関しては、

ガルライディアと模擬戦したくないが為に、エレクが無理矢理言っただけ(本人の願望込み)。

あのメンツ、動画投稿とか誰がするんだろ……

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