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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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近接と名乗り Ⅰ

 夏休みを2週間後に控えた週末。

 結は魔法局支部にて、守美子と向き合っていた。


 正確には、魔法局支部の魔法訓練用の一室にて。


「『変身』」


「『その背を追え』」


 互いに一言ずつ。それだけで2人の身体からはそれぞれ、赤と白が溢れ出す。


 溢れ出たものは、一瞬の内に散った。

 そこには、白地に赤のアクセントのワンピースを纏い、二丁拳銃を手にする少女――ガルライディアと、和風の衣装を純白に染め上げ、小太刀を二振り手に持つ少女――グラジオラスがいる。


 2人は、模擬戦を行う為に向かい合っていた。ルールは簡単。降参した方が負け。ただし、グラジオラスは魔法を発動しない。


 といっても、魔法少女の衣装自体が魔法ではあるのだが、それは考慮に入れない。


「さあ、始めましょう」


 守美子――グラジオラスが二刀を構えた。


 ひとつ頷き、ガルライディアを二丁を構える。しかし、こちらはグラジオラスに比べてぎこちない。経験の差が如実に表れている。


 ガルライディアが構える様子を見てグラジオラスは、極小さく嘆息する。


(固い。ただ単に慣れの問題もあるだろうけど、これはもっと別の……)


 考えながらもグラジオラスは、ガルライディアの下へと駆け出す。


「『散弾(ショット)』!」


 初手からガルライディアは散弾を右の銃から放つ。

 グラジオラスは大きく(ガルライディアから見て)左に躱す。


 だが、ガルライディアはそれを読んでいた。

 左の銃を連射する。左手での射撃は右手に比べ安定しない。

 だからこその連射なのだが、当然グラジオラスには通用しない。


 グラジオラスは、重心を限界まで低くし、魔力放出と強化された脚力でガルライディアに突っ込んでいく。

 グラジオラスの頭上を魔弾が通り抜けていく。


 ガルライディアは、慌ててグラジオラスに銃を向ける。


「『爆裂(ブラスト)』ッ!」


 グラジオラスの前方約50cmの床に魔弾が放たれ、爆風を生む。

 それでも、グラジオラスは止まらない。


 一切の躊躇なく、爆風を突き抜けた。


「うそっ⁈」


 ガルライディアの予想をグラジオラスは容易に超えてきた。

 流石に防御の為に脚が止まると思っていたが、それすらしない。


 グラジオラスは、身体の前で順手に持った小太刀を交差させ、ガルライディアの懐へと入る。


 切り払われる両刀。

 ガルライディアは、出来得る限り上体を反らし鋭刃を躱す。

 その際、両銃はグラジオラスの腹部を捉えていた。

 引き金が引かれ、グラジオラスの動きが止まる。


 また、発砲の反動と魔力放出にて、ガルライディアは大きく後ろに下がる。

 右の銃のスイッチを切り替える。


 ゼロ距離射撃に若干ながら怯んだグラジオラスが、再び突撃を開始。

 ガルライディアは、左の銃を構える。


 それを見たグラジオラスは、両刀に魔力を込めた。刃が仄かな光を帯びる。


 ガルライディアは魔弾を連射し、弾幕を張る。


 しかし、


「ハアアアァ!」


 咆哮一発。グラジオラスは両刀を翻す。寸断される魔弾。

 空いた弾幕の隙間に身体を捻じ込み、なお前へ。


 けれど、ガルライディアは右手を、正確には右手の銃をグラジオラスへと向けていた。


 その銃には、今までとは一線を画す程の魔力が込められていた。


「『貫通(ペネトレート)』!」


 現時点でのガルライディアの最高火力。

 ガルライディアの余剰魔力から形成された魔弾、通称、収束魔弾に今の魔力を上乗せして、放つ貫通力特化魔法。


 通常の魔弾を意に返さないグラジオラスだろうと、直撃したらただでは済まない。


 そのような状況のなか、グラジオラスは右腕を限界まで引き絞っていた。



読んで頂きありがとうございます。

戦闘シーンは筆が進む進む(描いてて1番楽しい)

修正する度に字数が増える……。

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