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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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三日月との邂逅

「どこに集まるのか聞いてくるから、ちょっと待っててね」


 魔法局本部のエントラスにて、ラークスパーはガルライディアにそう言うと、受付に向かった。


 1人になったガルライディアは視線を周囲に彷徨わせ、ある物を見つけ、そこへと小走りになりながら進んだ。


「『Sランク魔法少女名簿』……」


 ガルライディアが見つけたのは、その名の通り30年前から現在までSランク認定を受けた全ての魔法少女の名簿だった。


 そもそも、魔法少女及び魔物のランク認定とは魔法局により行われるものなので、魔法局本部にあるのは当然と言えば当然なのだが。


 魔法局が定める各ランクの条件は、Aランクまでは同ランクの魔物を単独討伐可能であること。

 つまり、Aランク認定を受けるにはAランクの魔物を単独討伐しなければならない。


 Sランクに関しては特殊であり、Aランクの魔法少女の中でも突出した戦闘力を持つ者が認定される。


 Sランクの魔物は、過去2体のみ確認されているので討伐云々は関係無いのだ。


 ガルライディアは、未だEランク。先のグラジオラスとの共闘の際の魔物はCランクだったが、複数人での討伐だったため、ランクに変化は無い。先はとても長い。


 閑話休題。


 ガルライディアが名簿を上から順に追いかけていると、ある名前を見つけた。


 その名は『断絶の魔法少女 アスタークレセント』。以前、(友人)が伝記を読んでいた魔法少女だった。


「おや、新人さんかな」


 ガルライディアが、その名をじっと見つめていると、そう声を掛けられた。

 ガルライディアが視線を向けるとそこには、

 黒衣に白のマフラーを身に付けた銀髪の女性がいた。


「あ、はい。どうかしましたか?」


 何か用だろうかと、ガルライディアはとりあえず尋ねてみる。


「いや、新人さんなら集合場所に案内しようかなと思ってね」


 どうやら、今回の新人の集会の関係者らしくガルライディアを連れて行くことが目的らしい。


「え、と、付き添ってくれている人がいるので、その人を呼んできていいですか?」


 ガルライディアとしては、女性の申し出はありがたいがラークスパーと合流しなければならない。


「先輩かな。……受付の所にいる人がそう?」


 女性は一度視線を彷徨わせ、ガルライディアに尋ねた。


「はい。ちょっと呼んで来ますね」


 そう言ってラークスパーの下へ向かおうとするガルライディア。


 だが、


「彼女、話し込んでるようだし、集会の時間までまだあるから私とお話しでもしない?」


 予想外のことになった。


「君の魔法少女として戦う理由は何かな?」


 ガルライディアが反応に困っている中、女性はお構い無しに話しかけてくる。


「え?えーと、大切な人を守るためです」


 戸惑いつつも返答するガルライディア。

 それに対し女性は、


「そうか。私と同じだね」


 そう言って微笑んだ。


「大切な人を失いたく無いから、ずっと一緒にいたいから。そんな理由はとても大事。大切にね?」


 そこまでい言うと女性の微笑みは無くなった。


「その思いがあるのと無いのじゃ、危ない目にあった時に大きく違うから」


 その時の表情は、ガルライディアが怖く感じる程真剣味を帯びていた。


 ガルライディアが詳しく聞こうと思い、尋ねようとした時、


「お待たせ、ガルライディア」


 ラークスパーが漸くやってきた。


「あ、ラークスパーさん。お話はもういいんですか?」


 ラークスパーに確認を取るガルライディア。


「お久しぶりです。先輩」


 ラークスパーに会釈する女性。


「貴方、どう言う巡り合わせなのよ」


 女性にそう問い掛けるラークスパー。


「たまたまですよ。先輩がいらしたのなら私はこれで」


 そう言うと女性は2人の下をすぐに去っていった。

 だが、ラークスパーの横を通り抜ける際、


「その子のこと、気に掛けてあげた方が良いですよ。責任感で押し潰されかねません」


 かつての自分のように、そう含めたその言葉をガルライディアに聞こえないようにラークスパーに伝えながら。


「そう、ありがとう」


 ガルライディアは、ラークスパーの小さな呟きのみ聞き取れた。



さてさて、女性は誰なんでしょうねぇ(見え見え)

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