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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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朱殷 Ⅱ

 

断崖絶壁毀す(ディバインプ)白亜の加護(ロテクション)』 。

 グラジオラスがそう唱えると、彼女の身体を白が包み込んだ。正しくはグラジオラスの純白とでも言うべき魔力が彼女の周りを覆っている。

 その情景を言い表すのなら、正しく神聖な(ディバイン)なのだろう。


「しゃあぁぁ!!」


 グラジオラスは両腕を霞む程、実際魔法で強化されているはずのがかの目にも残像しか映らなかった、高速で凪いだ。


 しゃん、と一拍鈴の音が響いた。


 魔力放出は、魔力を体外に押し出す事で推進力を得る技術。

 その性質上、加減を間違えると筋を傷めたりと初歩的な技術でありながら、極めるのが難しいものだ。


 今回のグラジオラスの魔力放出は、魔力特性『堅守』で怪我をしづらいグラジオラスであろうと、問答無用で怪我をするレベル。


 けれど、そうはならなかった。

 魔物を血を噴き出しながら、倒れるのを見届け、両刀を斬り払う。否、血振るいした。流れるように納刀。

 彼女の動きに怪我などの様子は全くない。


 ガルライディアがグラジオラスに近づこうとして、止まったのは、グラジオラスの小太刀から血が振るい落とされるのと、同時だった。


 厳密には、あるものを見てしまい動きが止まったのは。


「う……」


 血溜まりに横たわる死体。しかも、流血(現在進行中)のおまけ付き。


 ガルライディアの顔から段々と血の気が失せていく。


 ガルライディアは、今回ほどの大量の血を見た事がない。

 それも、動物(状)の死体から流れ出ている血を。


 これで魔物討伐は、3度目。

 では何故、初めてなのか。


 1度目は、無我夢中。それも、走り(逃げ)回って疲労が溜まっていたなかで、魔法少女になった時で単純に目に入ってなかった。


 2度目は、ガルライディアは失敗版『爆裂(ブラスト)』で攻撃したのみで魔物に流血する要素がなく、倒したのはエレクが放った雷撃で。


 そのような理由から、3度目にして1度目なのだ。


「ガルライディア、どうしたの?具合でも悪い?」


 突然止まったガルライディアを(いぶか)しんで、グラジオラスが近づいてくる。


「だ、大丈夫……だよ?」


 顔色が青を通り越して白に近づいていく。

 誰が見ても大丈夫ではないが強がるガルライディア。


 グラジオラスがガルライディアを連れて魔法局まで戻る判断をするのにそう時間は掛からなかった。




読んで頂きありがとうございます。

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