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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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朱殷 Ⅰ

タイトルは「しゅあん」と読みます。

赤黒い色を表す言葉です。

 

 白刃が翻る。獣はその身を躍らせる。

 散るは赤色。響くは気合と苦痛。


 そこは、街近郊の森林の中。

 純白の衣を纏い、仄白き軌跡を残す。

 彼女の名は、グラジオラス。

 彼女は、彼女達は、今街に近づいてきた魔物を追っていた。


「はぁっ!」


 一閃。魔物に擦り、少しの血と魔力が散る。

 魔物は、逃げる。木々の生い茂る森の中を木から木へ跳び乗っていく。

 今回の魔物は、猿型の魔物。曲芸じみたその軌道をグラジオラスは捉えきれずにいた。


「ガルライディア!」


 けれど、グラジオラスも逃げられるのは承知の事。

 すぐさま、ガルライディアへと短く合図を送る。


「う、うん。『爆裂(ブラスト)』!」


 ここで、ガルライディアは最近身に付けた魔法を使用する。

 『爆裂(ブラスト)』は、収束、発射した魔力を着弾時に爆発させる魔法。

 以前放ったものよりも、規模の大きい爆発が起こる。


 しかし、魔物は爆発の起こった木よりも奥にいた。

 動きを見るに効果はなかったようだ。


 しかし、魔物が向かった先にはグラジオラスの姿があった。

 少しでも攻撃が当たれば、猿型の魔物はより複雑に動き回りながら逃げる。

 そのことをグラジオラスは経験から知っていた。

 だからこそ、一度斬りガルライディアにも攻撃をさせて、その隙に魔物の前に回り込んだのだ。


「せぇあぁっ!」


 両刀で挟み込むように斬り裂く。

 浅く、けれど先よりは深く魔物の身を削る。


「ギィィ!」


 初めて上がる魔物の悲鳴。

 必死に逃げる魔物。しかし、その動きは先程よりも数段鈍い。

 そして、それをグラジオラスが皆逃すはずがない。


 すぐさま、魔力放出を以て魔物に追い縋る。


「『起源魔法(オリジン・マギカ)』」


 彼女の周囲で壮絶な程の魔力が渦巻く。


 それに気付いた魔物は、進行方向を変えようとしても、既に遅く、咄嗟に選んだことは体当たり。

 それでも、魔物の巨体から繰り出されるそれは魔法少女相手にも、有効である。


「『断崖絶壁毀す(ディバインプ)白亜の加護(ロテクション)』」


 目の前の魔法少女(グラジオラス)は例外だが。



読んで頂きありがとうございます。

起源魔法についての説明はまた今度。


にしても、グラジオラスさん初登場から2ヶ月で漸く魔法を使いましたね。

……ペース遅くて申し訳ないです。

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