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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
初めての変身

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久方ぶりのお出かけ Ⅲ

今は一話1000〜2000文字くらいなのですが、今のままで良いのか、増やすべきなのか、思い悩んでいます。

宜しければ、ご意見の方お願いします。

 

 食後に結と香織は、香織の服を見に行って、今度は逆に結が香織を着せ替え人形の如き扱いをしたり、本屋や雑貨屋など気の赴くままに、楽しんだ。


 夕日に照らされながら、親子は帰路に着いていた。

 握られている紙袋は総数8つ。他にも、元々持っていたバッグには、本や雑貨などが入っている。


「買い過ぎたわね……」


 ぼそりと呟かれた。それが2人の現状を最も的確に表している。


「でも、楽しかったね」


「えぇ。また、今度は家族3人で行きたいわね」


 今日の戦利品はずしりと重たい。

 質量だけでなく、その思い出が激しく存在を主張する。


(失いたくないなぁ……。私に()()()ようになれるかな?)

 大切な人と出掛けて、はしゃいで、ゆっくり帰る。

 そんな今日みたいな日を、日常を、失うたくない。


 そんな思いは結のなかで、強まるばかり。


 魔法少女になってから、その傾向は()()強い。


「……結?どうしたの?」


 遠い目をしている結を訝しみ、香織は声をかけた。


「ううん、こんな日がずっと続けばいいなって」


 思いの外、返答は早かった。


「そうね……。悪くはなさそうね」


「でも、時間が進んで大人になるっていうのも悪いものじゃないわ」


 香織は、思いを馳せるように黄昏色の空を見上げた。


「子供の頃は、ずっと子供のままでも良かった。けどね、こうして、自分の子供と歩いたり、出かけたり、そういうことは子供のままじゃ出来ないわ」


 香織の視線が結へ向く。


「だからね、結。今私はすっごく幸せなの。いつかあなたにもわかるわ」


 まずは、相手を見つけなきゃだけどね。

 そう、香織はおどけてみせる。


「まだ、よく分かんないよ」


 結が眉を寄せる。


「まだ分からなくても大丈夫よ。私もこんな事言うようになったの最近だからね」


 娘を微笑ましく思いつつ、過去の自分も母親から見たら同じように映ったのだろうと、少し苦笑する。


「お父さんが帰ってきたら、ファッションショーでもしましょう」


「うん。お出かけの自慢もしちゃおっか」


 (むすめ)の将来に幸あらんことを。その願いはきっと叶う。


 彼女は、そう思った。

読んで頂きありがとうございます。

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