決意と変身
拙くて、読みづらいかと思いますが、宜しくお願いします。
魔法少女という言葉から、結が想像出来ることは、
・彼女達はそれぞれが唯一の武器を持っていて、魔法やその武器で魔物と戦う。
・服がヒラヒラしていたり、露出が多かったりする。
・魔法局とか言う政府の組織に入れば、魔物を討伐するごとにお金が貰える。
以上の3つのみである。
5年位前の方が魔法少女の話はできたのでは無いだろうか。ただ結(12)は魔法少女のアニメやらを見なくなって久しいからか、イメージが出来ないのだ。
結に戦闘力など微塵も無い。あったとしても、恐怖で動けないだろう。それは、本人が一番よく分かっている。だから、
「ごめんなさい……」
アッシュの頼みを断った。
しかし、
「結って呼んでいい?」
アッシュは結の言葉を聞いているのかいないのか、そんな事を聞いてきた。
「う、うん。いいよ」
若干戸惑いながらも、結は返事をする。
「じゃぁ、結。いい?君には魔法の才能がある。それもなかなかの。僕の魔法があんなにも力が出たから、それは絶対だ」
「どういうこと?」
結は説明をアッシュに求める。アッシュはそれに答えるかのように続ける。
「僕の魔法は他の人の魔法を操る力、僕達は魔力って呼んでる。その力の一部を借りて使うものなんだけど、僕は直接魔法を使えないし、一部って言っても本当に少しだから、小さな力しか使えないんだ」
魔物を倒すなんて、もっての外。とアッシュは付け足す。
「そもそも、ただの人間が狼型の魔物から逃げられるわけないでしょ。結が逃げられたのは僕が結の魔力で結の身体能力を上げてたからなんだ。だから、結の力はあの狼位には負けない。どう足掻いてもね」
「でも……」
「大丈夫。結なら、絶対に。僕もできる限り君の力になる。だから、お願い!」
そこまで聞いて、結はふと思う。この街にも魔法少女はいるはずなので、そっちに倒して貰えばいいのではと。
だが、
「残念ながら、お取り込み中で今は無理。結、お願いだよ。今結が戦わないと、この街の人が危ないんだよ!」
言われて気づいた。さっきまですぐ近くにいたあの狼はどこにいったのかと。
そして、家で自分の帰りを待ってくれている大切な家族が、今度遊ぶ約束をした友達がまた死んでしまう事を想像した。
(嫌だっ、そんなの絶対に嫌っ!)
怖い、怖くて堪らない。けど!
「分かったよ。アッシュ。私、魔法少女になる!」
結は選んだ。自分が死ぬかもしれない恐怖と大切な人がいなくなる恐怖を。
だからこそ、
「ありがとう。本当に。結、これを」
本当に嬉しそうにしながらアッシュは、小さな飾りの付いたネックレスを渡して来た。
「それは変身用のアイテムだよ。大丈夫、戦い方はネックレスが、教えてくれる。だから、強い自分をイメージしながら、変身って叫んで!」
「うん!『変身』っ!」
だからこそ、戦うのだ。今度こそ大切な人々を失わぬために。
お読みいただきありがとうございます。
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