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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
真なる欲望

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掴め

 牽制として放つ魔弾は尽く意味を成さない。

 けれども、これ以上威力を上がるとアルベロに直撃した時が怖い。だから、不可能。


 接近しようにもガルライディアの近接は徒手と殆ど間合いが変わらない。

 戦斧使いの間合いは当然それ以上。

 ガルライディアを近づけさせる訳が無かった。

 これは模擬戦だ。それでも別にいい。


 だが、ヒュアツィンテ戦にてそれで負けたなんて許されない。

 ガルライディアが、結自身が誰よりもそれを許せる訳が無い。

 そんな温いことを言った暁は自身のことなんて今後一生信じられないだろう。


 ヒュアツィンテとの勝敗はそれほどまでに大きい。


 何度目かの『衝撃(ショット)』――否、今回は――――


「『爆裂(ブラスト)』」


 模擬戦ではあまり使わない爆発を起こす魔弾を、アルベロの足元に数発放つ。

 アルベロの適性はどこまで行っても『植物』ならば、炎は効くだろう。

 アンカーとしようとした衣装由来の木の根が焼かれ、アルベロは退避する。


「――へぇ…………。次は?」

「『循環魔弾(ガトリング・トーラス)』」


 ガルライディアの背後に紅の円環が展開される。

 以前ヒュアツィンテ相手に使用した時よりも魔弾1発1発の火力は低くしているが、その連射力はそのまま。


 秒間100発。

 現代兵器なんて目ではない速度で放たれる魔弾を前に、アルベロは衣装の一部を操作し枝の防壁を形成。


 瞬間、アルベロの直感が悲鳴を上げた。

 戦斧を身体の左側へ。


 ――ガギンッ、と凄まじい衝撃が戦斧を襲い、身体が浮く。

 アルベロの視線の先にはガルライディア、その拳銃がある。


「――!!」


衝撃(ショット)』を放った直後に、両足から収束した魔力を放出。

 一気に間合いの内に。この奇襲を逃せば、機会はない。


循環魔弾(ガトリング・トーラス)』の魔力消費は暴力的だが、ガルライディアの魔力量はかなり多い。ある程度は維持できる。

 ならば、このまま攻めるのみ。


「『(ブラ)――」

「甘い」


 アルベロの背後から爆風で炙ろうと魔弾を撃ち込もうとしたガルライディアの左の拳銃は、アルベロのハイキックで弾き飛ばされる。

 ついで向けた右手にアルベロの腰から伸びた枝が迫る。


 魔法具を犠牲に緊急回避。

 半身になりつつ、左手でアルベロの首を掴みにかかる。


 これは試せていないが、例えヒュアツィンテであろうと生物の域を出ていない限り窒息は効くと予想されている。少なくとも呼吸はしているので、一切影響がないとは思えない。


 だが、そんな見え透いた手を歴戦の魔法少女であるアルベロが食らう訳が無い。


 しかし、掴まれた。


 本来ありえない現象にアルベロの動きが止まる。

 瞬間、硬質な踏み込みの音が耳朶を打った。


「ハアァッッ!!」


 右ストレートがアルベロの鳩尾にめり込んだ。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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