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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
真なる欲望

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エタってはおりません。

一応、これでも。

終わりまでの展開とかを考えて整理している内に1月過ぎておりました。

もう1つの作品が更新されているのは単純です。あっちプロットゼロのノリでかいてるんで。


言い訳は終わりとしまして、本編完結まであと少しなのでナメクジ並みの速度であってもお付き合いいただきたく思います。

 ガルライディアは最早ヤケクソだった。

 魔法少女達はみんな血の気が多いし、まともじゃないし、自分はその一員だし。


 訓練と称して喧嘩ばかり。

 結構ためになったけど、それはそれとして納得がいかない。


 疲労も相まって、普段以上に気が立っているのもあった。

 とは言え、疲労だけなら()()はならなかっただろう。


「アストリングさん、いくつかお聞きしたいことがあります!!」


 単身突撃。

 視界の端に移る逆さ吊りのオブジェからは目を逸らしつつ、アストリングとの距離を詰める。


 なんか動いているが無視だ無視。

 そうじゃないと正面の人がまっとうでないことも認識しなきゃいけなくなる。


 悲鳴を上げている常識と防衛本能ごと無視を決め込み、彼我の距離を2mまでもっていく。

 アストリングの視線がガルライディアが無視を頑張ってしている動くオブジェの真ん中をねっとりとかつがっつりと凝視している気がするが、気にしない。

 気にしないようにしないと、無理だ。

 もう少し疲れた。


「ん-、なぁに? え…………と天人菊(てんにんぎく)、さん?」

「和名で呼ぶ人は初めて会いました。鋼糸を用意する時の魔力の扱い方について、教えて欲しいところがあってですね――」


 大天人菊または天人菊はガルライディアの和名である。

 花の方も基本ガルライディアとしか日本では呼ばれていないので、少女が咄嗟に和名だと思い出せたのは奇跡であった。


 なんでアストリングがそっちで覚えていたかは誰にも分からない。

 ぶっちゃけ本人も覚えていない。


 兎も角として、ガルライディアが聴きたかったのは

 ・鋼糸を出す際の魔力の圧縮の速度をだすコツ

 ・複数に圧縮した魔力をそれぞれ独立して制御するコツ

 の2点。


 どちらもアストリングの魔力制御の腕が良く、細かな調節が出来ているからこそ成しえるものだ。

 彼女はこれらの技術にて大量に強度の高い鋼糸を自在に操るのだ。

 特に片手で10を超える圧縮を同時に行い、それら全てで全く別の動きを実行。

 更に両手それぞれで。


 そのレベルとなるとガルライディアはセージゲイズの主な戦い方である数十の魔力塊の並列制御位しか見たことが無かった。

 遠目で見た限りだが、アストリングはセージゲイズよりも圧縮が強く、速い。


 教えを請わない訳にはいかなかった。


「ん-と何が聴きたいかは分かったけど……、こっちメリットがないんじゃない? 自分が強くなるためにここにいるのに後輩に教えるだけじゃあ、ねぇ? 魔法少女全体の戦力は上がるかもだけど、直接的な利益がないし」

「うっ……たしかに。………………えと、出来ることはなんでもするので、候補あげてください」

「――なんでも? ん゛ん、色々学べるなら学ぼうとは思ってるから、そっちで決めてよ」


 ただ、まぁ、そう簡単にとはいかない。

 系統が大きく異なるし、魔法少女としての歴の差が大きい。

 教え合いや相手の技術を見て自分のものとするのは難しい。


 なんか誤魔化すように譲歩された。

 が、彼女の品性が薄れた一瞬の笑みをガルライディアは幸い認識していなかった。


「なんかないの? これが自分の一番の強みですって言えるのとか」

「大魔力の収束、とか…………?」

「おぉ、良いじゃん良いじゃん。私も魔力の収束は糸の強度に直結するから知りたいよ」


 鋼糸の強度は使う魔力の量とその密度で決まる。

 魔力の密度は訓練で魔力自体のものを引き上げるものと、魔力の圧縮・収束にて行うものの両方に起因する。


 魔力自体の密度の違いは、同じ量の魔力を用いた同じ魔法の効果に影響する。

 鍛え方は簡単だ。ひたすらに魔力を扱う事。

 魔力量と揃って上昇する要素で、魔法少女歴で確固たる差が生まれる分野でもある。


 偶に歴をぶちぬいてくる天才もいるが、基本小手先の技術ではどうにもならない部分なので、アストリングが糸の強度をすぐに上げようと考えたら、いかに多くの魔力を高密度に圧縮・収束出来るかにかかっているのだ。


「一番とは言いましたけど、お母さんの方が上手いんですよね……」

「お母さんねぇ。ちなみになんて人?」


 ただの興味本位。

 アストリングの中では、ガルライディアにコツを教えるついでに、全力で拘束する用の鋼糸の強度アップを図ることは確定していた。

 それはそれとして、ちょっとなんでも(・・・・)に未練を感じてもいた。


 端的に言って、セクハラしたかった。


「その子の母親は、英雄『絶潰』だぞ。手ぇだすなよ、てか下ろせ変態」

「――ひゅ………………っ」


 一瞬の内にトレマーの拘束を解いて、ガルライディアに視線を向ける。

 こてんと不思議そうに首を傾げる小学生を相手に、アストリングは全力で冷や汗を誤魔化した。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。


インターネットに存在するタイプの駄目な人。

あとアンドロメダさんは余波でビルを抉ったりできる化け物なので、尊敬と同じくらい怖がられています。

自分達も同種の力を扱っているからこそ分かる元最強の異常性。

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