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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
真なる欲望

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魔法少女は血の気が多い、のかもしれない

 プログラム5日目、本日から一緒に訓練を行う組が変わる。

 詳しくは変えられる。変えなくても問題は無く、複数分野の訓練がしたい場合は事前申請で変えられるようになっている。


 結は遠距離物理から近距離物理へ、守美子は支援の障壁へ、美勇はそのまま近距離物理。


 このような組み合わせではあるが、ここで問題が一つ。

 近距離魔法組の数が少なすぎたのだ。


 初日から少なすぎたのが原因で近距離魔法組は近距離物理組と合併して、2組合同で訓練をしている。

 よって、結と美勇は近距離魔法組とも戦うことになる。


「最初近距離魔法組って何人いたんですかね?」

「んー、と、なんか3人って聞いたっけな?」

「近接戦闘する魔法少女は近接武器持ちが多いでしょうし、そういうのは近距離物理組ですからね。正直近距離で魔法メインの戦闘なんてあまり想像も………………」


 宿泊施設の部屋で朝食後の食休みに駄弁っていた3人の脳裏に魔力操作でぶん殴ってくる奴が浮かんだが、一旦は追い出しておく。今は関係ないので。


「そう言えば、守美子の障壁組ってどういうことするんでしょうね?」

「ペアを組んで交互に障壁を攻撃し合う、とかかしら? 他の組に頼んで攻撃役に来てもらうのもありね」

「なんか障壁組の訓練室からとんでもない音が聞こえてきたって噂を他の街の魔法少女から聞きましたけど」


 守美子は支援系の障壁なのだが、噂からは結構荒れているらしいことが伺える。

 何でなのかは分からない。守美子は自身の所業から目を逸らしつつ、疑問に思っている。

 この場に障壁を利用して超高速の連撃を可能にしている存在がいるのだ。

 多分そういうことなのだろう。


「その人って美勇さんが前に住んでた街の人ですか?」

「いんや? 初日に仲良くなった人。馬が合うしメル友になれそう」

「コミュ力の違いか………………」


 守美子は友達が少ない。知り合いならいるのに。

 結も多くはないが、守美子よりはいる。


 ちなみにだが、施設在住の守美子の弟妹達の誰もが、上記2人の数倍は友達がいる。

 ぼっちではないのだけが救いだろうか。


 守美子は心の中で清水 凪沙を拝んだ。

 彼女の苦笑いが目に浮かぶ。


「ま、余裕と時間あったら訓練内容聞かせてくださいよ」

「ええ。…………美勇、結の体調に気を遣ってあげて」


 最後は美勇の耳元で、結自身に気を遣わせない為に彼女にだけは聞こえないように。

 時間が近づき、各々の準備に取り掛かった。



 _________________________




 変身してからガルライディア、ファルフジウムの両名は扉を開けて訓練室へ――


 ドォンッッ、と響く炸裂音に両者の瞳が曇った。

 前にいたガルライディアが張った障壁が意味を成さなかったのは救いだろうか。


「またかぁ………………」

「魔法少女って馬鹿の集まりなんですかね?」


 初日はどこもこうなのかも知れない。

 自分も魔法少女であることから目を逸らしつつ、前方に魔力をゆるく放つ。

 これで止まってくれればなぁ、という絶望的な希望だ。


 無理だった。

 もう一度炸裂音。ついでに馬鹿みたいな風圧が頬を打つ。

 障壁はもう面倒くさかった。


 暫く前まで年上はみんな割と大人だと思っていたガルライディアの認識はもうボロボロだった。


 戦っているのは、糸を操っている鉄色の髪の高校生くらいの少女と大量の魔力を両手のトンファーに纏わえせて近接を挑もうとしているチャイナ服の中学生ほどの少女。


「――んーと、まぁ思春期って承認欲求とかもあがるから、皆こうでは無いけど、珍しくないって思っておこうね。そっちの方がガルっちにはいいかも」

「………………はい」


 守美子と明と鳴音ってまともだったんだと、微妙な現実を見て認識を改めたガルライディアであった。

 そいつらは別にまともでもないと言うのに。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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