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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
真なる欲望

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飛ばされ鍛え日進月歩

 厳正なるくじ引きの結果、魔法少女達は各々が模擬戦を行っていた。


 よそへ銃弾が飛んでいかないように障壁を展開しながらだが、簡易的な障壁なら今プログラム用に増産された魔道具(魔石を用いて魔法を発動する道具)によって容易に展開出来る。

 それも常時ではなく、魔力を一度流すことでオンオフの切り替えが可能なものだ。

 だが、範囲が狭く設置の手間もあり、即応性は無い。馬鹿2人の私闘では使えなかったし、部屋を丸々使った戦闘は出来ない。


 小銃での魔弾の掃射を魔力放出で躱して、障壁で時間をかせいで距離を一気に詰める。


 ガルライディアが主戦法である拳銃を用いた近・中距離戦闘。

 だが、拳銃に対して取り回しの悪いアサルトライフルとサブマシンガンの二丁でもスカーレッド・ジェミニの動きは鈍らない。

 右での発砲を躱され、今度は左。


 だが、それは右手のアサルトライフルにて弾かれる。

 間髪おかずにサブマシンガンでのフルオート連射。


 障壁で逸らして、一歩踏み込む。

 否、踏み込もうとしたが足元に魔弾が撃ち込まれる。


「お前、右利きだろう? 両手で戦うのなら右で出来ることは左でも同じように出来るようにしておけ! 左の動きが一瞬遅い!」

「はい……ッ」


 ジェミニも元はと言えば右利き。

 だが、彼女の動作に淀みは無く左右の武器の差はあれども、遜色無い精度、速度を実現している。


 互いに怪我の無いように威力のある魔法は使っていない。

 ガルライディア最大の武器である大出力が使えないとは言え、少女は至近距離からのジェミニの回し蹴りにて吹っ飛ばされた。


 1戦目にて1人あぶれた創傷 フロウ・フラワーは、ガルライディアと2戦目に戦うこととなった。


 フロウ・フラワーは近接戦闘自体は得意ではない。

 魔弾と身体強化だけのガルライディアでも圧倒できる。

 だが、フロウ・フラワーの真価はそこではない。


「魔物との戦いでホローポイント弾を使う利点は、1つ目に貫通しないから街の中でも扱えること、2つ目、これが大事。分かる?」

「弾丸よりも圧倒的に広い範囲を攻撃できるッ、ことですか……?」


 戦闘など集中する先がある場合、フロウ・フラワーのコミュ力は格段に上がる。

 他のことに意識が向いている間は他人からの視線が気にならないから、というのが彼女自身が出した結論。

 そんな向上した対人性能にて出した問題。


 手首のスナップだけで標準を肝臓に向けて、速度と衝撃だけはあるが貫通性能は微塵もない魔弾が放たれた。

 それを咄嗟に半身になりつつ、質問に答えるガルライディア。


「それなら、弾丸に爆発魔法を仕込めばいいし、そっちの方が固い物質に効果的。そうじゃなくて、魔力で弾丸をつくることで生じる利点」

「…………魔法を仕込むと体内では阻害されるけど――!」

「正解。魔力が多い存在には害を与える魔法は阻害される。でも、ホローポイント弾は魔力の弾丸を物理的に開く関係上、阻害されにくい。確実に広範囲を攻撃できる」


 同量の魔力で弾丸を用意すると仮定する。

 魔弾のつくる為だけに圧縮した魔力と、魔法を仕込んだ分魔力的リソースが減った魔弾では前者の方が単純に威力も速度も出しやすい。

 加えて魔法を発動するには魔力で一定の形をつくる必要がある。(それが魔法陣である)

 その形を乱すのは、圧縮された魔力を解すよりもずっと容易だ。


 結果、魔力さえあればホローポイント弾は魔物にも有効だ。

 そして、当然人にも。


 模擬戦の後ガルライディアはフロウ・フラワーにホローポイント弾で狙うべき部位をざっくり教えてもらった。

 フロウ・フラワーは異常にどもっていたが、なんとか解読した。


 その後も対戦相手を入れ替え、全員が一度は模擬戦を終えた。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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