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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
真なる欲望

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情けないことこの上ない

「本来尊敬すべきだとは思いますが、無理そうです」

「うす、すんません」

「調子に乗り過ぎましたな」


 端的に言おう。

 キレ気味に説教をかまして、ガルライディアは先輩二人に上下関係を刻み付けた。


 小学生に大真面目な説教を受け自主的に正座している二人は、ジェミニが17歳、ストリークが18歳である。

 グラジオラスとセージゲイズの真面さにガルライディアはありがたささえ覚えた。


 最後に吐き捨てるように付け足した後に小学生が悲しい悟りに至りかけたところで、彼女に声が掛かる。


「えっと……、あなたがガルライディアさんで良いの?」

「お見苦しいところをおみせしました。収束の魔法少女 ガルライディアです」

「いえいえ、そこの二人が悪いんだから。…………じゃあ、そっちの子達も含めて紹介させてね」

「おねがいします」


 結構な勢いで感情を発散した影響か、ガルライディアの中には緊張は残っていなかった。

 正座してる愚か者二人は置いておいて、彼女らは部屋の端に設けられたテーブルに集まった。


「言い出しっぺってことで、自分から。集める方の集束の魔法少女 ギャザリング・ダート。少女名乗ってはいるものの21歳です」


 最初に声を掛けた人物にして、ジェミニとストリークとの戦いの際に頭痛に苛まれていたのがギャザリング・ダートだ。

 肩にかかる程の薄紅の髪に、弓道の道着のような恰好に赤い羽織。腰には細身の弓が下がっている。


「あー、と、遠見の魔法少女 ホークアイ、一応18になる。狙撃には自信がある。最初から今後が心配になったが、お互い頑張ろう」


 身長142cm、腰ほどの髪を一つに纏めた彼女は、一応大学生でもある。

 つまり彼女も少女とは名乗れない。が、身長と童顔でガルライディアよりも幼く見える顔立ちがノイズとなっている。

 魔法具は1.5mを超える大型のスナイパーライフルの形。


 ガルライディアが『一条乖離した紅の慟哭(クリムゾン・レイ)』を放つ際に『フライクーゲル』を変形させたライフル型の物よりも一回りごつい。


「次はあたしね! 加速の魔法少女 アクセルプロード! 近接で銃撃つのが得意だよ。ジェミニちゃんもストリークちゃんも面白かったね」


 フリルが沢山付いたアイドルのような服を着てはいるが、右太ももには小柄のピストルが一丁。

 よくよく見ると薄ピンクのベルトは弾帯になっている。殆どが見た目だけだが、6発分だけは別。

『フライクーゲル』のように魔力を弾丸の形で蓄積し、任意のタイミングで使用できる。

 単純な魔力の蓄積な『フライクーゲル』と違い、魔法としての形を定めて魔力を蓄積する為に自由度は低いが協力だ。


 またこれでもギャザリング・ダートと同じ年なのだが、とてもそうは見えない。

 ホークアイは見た目とは裏腹に精神年齢は18を軽く超えている。

 ある意味真逆と言える。


「ぁ、えと、…………創傷の魔法少女 フロウ・フラワー、です。今度高校生になります。よろしくお願いします……………………」


 髪も瞳も服装も全てが黒。黒のロングコートには差し色に白が使われ、胸元には花の刺繍が存在するがそれだけ。

 銃剣付きの単発ライフルも光を反射しない黒。

 だと言うのに肌は病的に白い。


「改めまして、収める方の収束の魔法少女 ガルライディアです。よろしくお願いします」


 以上、7名。

 少ないように思うが、この1週間苦楽を共にする遠距離物理組のメンバーだ。


 まずは、各々の戦い方を確認しよう。

 魔法少女達は模擬戦のくじ引きを行った。


 一人余ったフロウ・フラワーはガルライディアに交換をせがんだ。

 ガルライディアの中の年功序列の意識は既に瀕死だ。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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