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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
真なる欲望

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魔法少女強化プログラム

 魔法局本部、東京都に位置するそこには優に100人を超える魔法少女が集結していた。


 あまたある魔法局支部の魔法少女監督役が一人、清水 創美が主導となって計画された魔法少女全体のレベル向上を目的とした催し、名前はそのままに『魔法少女強化プログラム』。


 開催されるのは各地方で最大の魔法局支部(関東のみは本部)。

 そこにそれぞれの街から魔法少女を送り、1週間という短期ではあるがその分集中的に能力を向上させる。


 前後半の二組に分かれて、合計2週間の実施を予定している。


 街から半数の魔法少女がいなくなる部分は、各支部で魔法少女を派遣しあうことである程度是正する形だ。


 それでも足りない場合は、試験運用中の高速の貨物列車にて魔法少女を文字通り輸送する。

 街と街とを地下にて繋ぐ人類の生命線、その最新版は客車であっても普通の人が乗り込めば、シートへの固定なしには耐えることが出来ないだろう。


 対物結界をデフォルトで纏っている魔法少女だからこその強行突破だ。


 前半組には、ガルライディア、グラジオラス、ファルフジウムの3名が含まれている。

 後半組には、エレク、セージゲイズ、ラークスパーの3名。


 ベンゾイルは現役でなく、監督役でもあるために不参加。

 クリムゾン・アンドロメダは講師側として2週間出ずっぱりだ。


 本日はその1日目。

 彼女らは朝4時発の件の試験運用中の貨物列車に急遽客車を繋げたもの。


 眠気眼を強引に開くには十分な速度と衝撃であった。

 ガルライディアなど出発当初余りの速度に怖くなって対物結界の出力を倍に引き上げたほどだ。

 …………一応杞憂ではあった。出発前にトイレ行っておいて良かったと本気で思った小学生はいたが。



 魔法局本部に入り、地下の訓練室へ揃って向かう。

 とは言え、分野ごとに別れるので途中までではある。


「守美子さんと美勇さんは最初は近距離物理組でしたっけ?」

「ええ。結は、遠距離物理よね。知り合い誰もいないでしょうけど、大丈夫?」

「た、多分…………」


 知り合いが全くいない状態への不安感は多少は、結構………………かなりある。

 だが、足を止める訳にはいかない。


「にしても、結っちが遠距離物理なの違和感凄くない?」

「……魔力、魔法を魔法具で射出してますからね。でも、明さんとか鳴音さんみたいに魔法っぽさはないし」

「ざっくりと、銃器や弓のような魔法具で魔法を射出している人が遠距離物理に分類されているようですからね。魔法への対義語として物理が選ばれただけで深い意味はないのでしょう」


 分類の仕方としては、まず近距離、遠距離、支援の3つに大別した後に前半2種を物理、魔法に分け、支援を回復、障壁、強化の3つに分ける。

 魔法少女をざっくり7種に分類し、集中的に訓練を施す。


 とは言え、3人の中では守美子は支援の障壁にも分類できる為、複数の分類にまたがる者はその中から自由に選択できるようになっている。


 美勇は1択で、結は遠距離魔法も選べなくはないが実質1択であった。


 雑談もそこそこに近接組の訓練室に到着。

 以降は結の一人で進んでいく。


 1分と経たずに目的の場所へ。

 ここからは訓練室へ入る前に魔法少女への変身が今回は義務付けられている。


 普段の魔法局の訓練室なら兎も角、慣れていない場所では魔法の誤射の可能性が否定しきれないことと、たかだか1週間程度の付き合いで素顔を晒す気になれない者が多かったことが理由だ。


「――。『変身』」


 深呼吸を一つ。

 少女の身体を紅の閃光が包み込んだ。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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