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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
罪の所在

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思案、それに意味がないとしても

『所属魔法少女一覧表』。

 魔法局がフォーマットをつくり、支部含めて全ての局で使用され、データが共有されている魔法局所属の魔法少女の能力などをまとめたデータ群だ。


 魔法局支部監督役清水 創美は自身が受け持つ魔法少女達のデータを開いた。


 ――――――

 ・堅固の魔法少女 グラジオラス(17) Aランク

 魔力特性:『堅固』障壁・結界魔法に補正

 魔法具:『唐菖蒲』二振りの小太刀 強度特化

 備考:障壁魔法による支援の他、近接戦闘、回復魔法などにも高い適性をもつ。


 ・見識の魔法少女 セージゲイズ(16) Aランク

 魔力特性:『見識』解析系魔法に補正

 魔法具:『セファー・ラジエール』本型 解析魔法の補助

 備考:火属性にも適性を持ち、高度な魔力制御を織り交ぜた近中遠全てに対応可能。また、制御力の関係で魔力回路の応急処置が可能。


 ・紫電の魔法少女 エレクトロキュート・イグジステント(14) Aランク(Sランク審査中)

 魔力統制:『紫電』雷系魔法に補正

 魔法具:『ケラウノス』長杖型 雷魔法の補助

 備考:雷特化かつ火力特化。純粋火力はSランクとの比較でも上位。また、あらゆる魔法への高い耐性を持つ。基本は固定砲台として戦う。


 ・収束の魔法少女 ガルライディア(12) Bランク(Aランク審査中)

 魔力特性:『収束』魔力の収束に補正

 魔法具:『フライクーゲル』二丁拳銃 収束・加速補助 特殊機能あり

 備考:『収束』による高燃費かつ安定した火力で遠距離主体の戦闘が可能。魔法具の特殊機能により瞬間火力の向上が可能。


 ・黄煌の魔法少女 ファルフジウム(15) Bランク

 魔力特性:『累加』魔力出力に補正

 魔法具:『フォルテカリバーン』長剣状 出力補助 特殊機能あり

 備考:高燃費の自己強化による近接戦闘を得意とする。魔法具の特殊機能で瞬間火力の向上と大規模遠距離攻撃が可能。

 ――――――


 ラークスパーは、活動拠点はこの街だが本人の適性の影響で実際の所属は東京にある魔法局本部である。

 また、クリムゾン・アンドロメダとベンゾイルは引退済みの緊急時用の二次戦力としてまた別のページにまとめられている。


 なので基本的に実働する魔法少女は上記5名となる。


(……ここで考えるのは、ラウム含む『魔人同盟』は理由は兎も角この街を集中的に攻撃しているという事実)


 創美は立場上、現役の魔法少女以上に情報を得ている。

 それによると『魔人同盟』によるものと思わしき魔物の異常発生などは他地域でも見られるが、魔人らの人型戦力が出たことは一度としてないとのことだ。


 また昨年のクリスマスの『ハルトクレーテ』のようなSランク一歩手前クラスの魔物の出現も確認されていない。


 そこから考えられるのは、創美の思考の通り。

 何が理由かは予想は出来るが実際にはそれが正解かは分からない。


 考えられる理由は、簡単に3つ。

 ①エレクトロキュート・イグジステント、クリムゾン・アンドロメダ二名の殺害

 ②街が孤立状態にあること

 ③本部、そして『断絶』の本拠地から適度に離れていること


 ①は単純に現役、引退済み全ての魔法少女の中でも、純粋火力が5指に入る二人の早期の殺害、または無力化。

 彼女らがいるだけで対魔物戦が大きく変わる。

 普通彼女ら程の火力を持つ魔法少女は数個の街で一人程度。

 それが一つの街に二人。せめて一人は無力化したいはずだ。


 加えて、万全の状態なら一度の戦闘に2回までなら彼女らに準じる火力を出せるガルライディアの存在もある。

 この街の戦力を忌々しく思っているのはたしか。


 ②は大結界に覆われた街の仕組みの問題だ。一つ一つの街はある程度の距離が離れている(そうでないと魔石の供給がなりたたない)ものだが、この街は近隣の街との距離が他の街々よりもよっぽど離れている。それによって緊急時の魔法少女の派遣が難しいのだ。


 それは即ち、街の中の戦力だけで事態の収拾に動かなければならないことを意味する。

 それは①に通づるものがある。


 ③は、魔法局本部のある街(首都、または第一東京街と呼ばれる)と現代最強の魔法少女『断絶の魔法少女 アスタークレセント』がメインに活動している街(鍋破街、通称第三東京街)からの距離が、本部と『断絶』の街の魔法少女の中でも移動速度がトップクラスの魔法少女達なら2時間程到着する程度であるのだ。


 これは相当な緊急時はそれぞれが動くかどうかの選択を迫られることを意味しており、もし動くのなら本部と鍋破の戦力は大きく低下する。それはつけ入る隙となる。

 そのような状況下で判断を鈍らせて、対応を遅らせる。または誤った対応をさせることを狙える。


 兎も角、狙われているのなら対応を考慮する必要がある。

 魔法少女本人らと詰めるべき箇所だが、子供に人殺しに近い行為をさせるのだ。

 責任や殺したという意識(・・・・・・・・)を持ちにくいように、大枠は考えておこうと創美は思考を巡らせた。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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