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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
罪の所在

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牛歩、けれど確実に Ⅱ

 ヒュアツィンテに有効な威力、その指標となった『Nova・Brave・Blade』だが、一つ明確に難点がある。


「『Nova・Brave・Blade』って一日何回発動出来ます?」

「発動だけなら10回。でも、ある程度威力出そうとすると4回かな」

「無力化するのに深刻な魔力的問題が出て来たんですけど…………」


 一回一回の攻撃に掛かっていい魔力量では無い。

 有効打にするならそれだけ必要だが、別に隙を作る為の魔法までそんな魔力を込めなくとも問題は無い。

 とは言え、それでも必要な魔力は多大である。


 なお、『起源魔法(オリジン・マギカ)』でファルフジウム以上の上限回数の奴の台詞である。


 加えて、収束魔力弾という魔力の貯蓄手段が大量にある。


 この時点で、街の面々の中で一番殺さずに倒すのには向いていると分かる。

 殺すだけなら、エレクかアンドロメダも可能だが。


 兎も角、今はやれる事をやるべきだろう。

 ファルフジウムは一旦、必要魔力量の前の話を呼び起こした。


「んーと、とりまセージ姉より身体能力高い私が次やるかな。セージ姉、槍無い?」

「中空の金属製のなら用具室に転がってるわよ」

「おっし! じゃ、取ってくるっ」


 言うが早いか駆け出して、用具室に飛び込んでいく。

 残された二人は顔を見合わせて、どちらとも無く落とす様な笑みを浮かべた。


 1.5m程の槍(刃は無い)を引っ張り出してきたファルフジウムと向き合って、ガルライディアは『フライクーゲル』二丁を持ったまま手を下ろす。


 ついでに重心もやや落とし、固定。


 槍の心得など無いファルフジウムだが、幾度と無く戦ってきたからか、槍を自然と下段に構えていた。


(槍相手に注意しなきゃなのは間合いの測りにくさとそのリーチ。加えて、突き(刺突)払い(斬撃)、打撃の全部に気を付けながら一撃を入れる必要がある)


 ヒュアツィンテが槍を使うと分かった上、そして、また戦う時が来るとも分かっている以上、ガルライディアに槍への対処を学ばないと言う選択肢も意思も無かった。


 ファルフジウムが踏み込んだ。


 彼我の差は僅か数メートル。

 だが、まだ槍には遠い距離。

 ならばと銃の間合いから槍の間合いへと早期に引き摺り込む。


 それに対して、ガルライディアはファルフジウムの一歩目が地に着くよりも早く、槍の間合いの更に深くに踏み込む。


 慌てて跳ね上げられる槍の手元を抑えて、発砲。

 だが、いくら得物が異なると言っても流石にその程度ではファルフジウムは倒せない。


 魔力放出まで使用して身体を落とす。

 同時に足払いを仕掛けるも、ガルライディアは跳んで避ける。


 石突きで地面を叩いた反動を利用して、やや後退しながら身体を起こしたファルフジウムを魔力塊が襲う。

 跳び上がったガルライディアが脚から放った魔力は彼女を後退させると同時に正面の相手も強制的に引き離す。


 未だ空中にありながら、ガルライディアは魔力の十分な充填を完了させていた。

 体勢を崩したファルフジウムをしっかりと視界に収めてつるべ撃つ。


 身体を思い切り反らしながら魔弾が当たる箇所に魔力を集中させてダメージを最小限に留める。

 地面に両手をついてのバク宙。

 地面に足が着いた瞬間に加速、これ以上距離を離されない様に自身から飛び込む。


 ファルフジウムの突撃に対してバックジャンプを挟みながらの引き撃ち。


 思いの外、長い模擬戦になりそうだ。

 ガルライディアは魔弾の収束率や指向性などを細かく弄りながら、意識を長期戦用に切り替えた。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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