表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/256

歴史

「魔物は今から30年前に突然現れました。世界的には、日本が最初ですね。そのせいで、外国との関係が悪くなってしまい、未だに修復され切ってはいません」 


 私が子供の頃なんて本当に酷くて、外国産の物が高くて高くて、ご飯は凄い質素でね……と教師は子供時代に思いを馳せる。


 それを聞いた生徒たちは、そんな教師の雰囲気から当時生まれてなくて良かったと思ってしまった。

 その後も授業は続き、生徒のノートは着々と埋まっていく。


 結のノートにも、

 ・魔物は30年前に日本で最初に出現

 ・最初に現れた魔物が一体目のSランクの魔物

 ・巨大なため、街が壊滅

 ・最初の五人の魔法少女は「原初の魔法少女」と呼ばれている

 ・原初の魔法少女全員でSランクの魔物「人滅龍(じんめつりゅう)・八岐大蛇」を討伐

 といった授業の内容がポイントなどを含め、綺麗に纏められていた。


 授業の時間が終わりに近づき、授業内容は消化し切った。

 結がノートの出来に満足気な顔をしていると、女性教師は今まで以上の真剣さを含んだ表情で、こう話し始めた。


「今日の授業の内容はこの先何があっても、忘れないで」


 単純にテストに出るという事ではない。

 そう生徒たちに思わせたのは、何か。

 さっきまで騒ついていた教室は静まり返っていた。


「魔物が現れるようになってから、今日までの30年間魔法少女が魔物を倒し、人々を守ってきた。……相応の犠牲を払って、ね」


 彼女の声が朗々と響く。


「私たちが安全に暮らせるのは、命懸けで戦ってくれている魔法少女のおかげ。だから、特に女の子たちは自分が魔法少女になれるって分かったって、例え魔法少女に憧れていても、一度しっかりと考えてほしい」


 そこで言葉を切り、教室全体を見る。


「そこに自分が命を懸ける価値が、覚悟があるかどうか、

 立ち止まって考えて」


 まぁ、他のことにも言えることだけど。と最後に彼女は(おど)けたように付け足した。

 ちょうど良くチャイムが鳴る。

 教師は帰っていった。




読んで頂きありがとうございます。


話に出てきた「人滅龍 八岐大蛇」はぶっちゃけ本編に全く関わりません。‥‥多分。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ