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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
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お出掛け

何気に25万字超えました。

「お父さんは何か候補はあるの?」

「そうだねぇ…………。ワイングラスとかかな?」


 結は珍しく、昌継と共に出掛けていた。

 目的は、12月の香織・昌継の結婚記念日の贈り物を選ぶ事。

 毎年の如く、この時期は結は昌継と贈り物を探しに出かけていた。


 昌継の方が香織よりも休みが少ない事もあり、結は昌継について行っている。


 なお、香織は香織で贈り物を用意はするが。


「お母さん、お酒飲んでるイメージあんまり無いんだけど」

「僕もだけどそこまで強い訳じゃ無いからね。香織さんお酒大好きなんだけどね」


 曰く、大学時代に大事件が起こったとか。

 結が聞いても、詳しい内容は教えて貰えなかった。


 そんなこんなで、昌継は食器類を取り扱っている店に向かっていった。

 連絡手段があるからこその別行動である。


私からの(・・・・)、どうしようかな…………?」


 また、連絡手段以外の例年と異なる点、それは結からも真っ当な物を贈れる点にある。


 一般的な魔法少女の半年分の給料は、昌継の年収に等しい。(30代半ばで600万近く稼いでいる昌継も相当な高給取りだが)


 魔法少女が、いくら稼いでも扶養の対象から外れない特例となっていなければ、面倒な事になっていただろう。


 結は既に今年だけで手取り400万は稼いでいるのだ。まだ魔法少女になって半年で、だ。

 恐らく年収は700は超える事になるだろう。


 普段はあまり手を付けないが、こう言う時に使わずにいつ使うのか。

 と言うわけで、色々と考えては見たのだが…………


「何が良いのかが分からない………………」


 いくら魔法少女が例外中の例外とは言え、法的に買えるものは一般的な小学生と変わらないのだ。


 よって、勿論だがワイン含む酒類は買えないし、あまりにも高い物を買おうとした場合、厄介ごとになる。


 だが、昌継と方向性を合わせた方が良い気がするのは事実だ。


 取り敢えず、昌継がワイングラスに決めたと言う事は、ワインも購入するか、既に家にあると思われるので、そっち方面の店に入ってみる。


「――あの、すみません。未成年の方にお酒は売れないんですけど…………」

「い、いえ。お酒は要らないです」


 案の定と言うべきか、店員に目を付けられた。

 20代前半の茶髪の女性に、やんわりと手で止められた。


 小学生が酒関係の店に入ったら訝しむのが普通だ。寧ろ止めて正解だ。


 だが、酒自体に興味の無い結は、話しかけてきた店員に事情の説明と助力を願った。


「ご両親の結婚記念日ですか……。それは失礼しました」

「大丈夫です。それよりも、お勧めの物ってどんなのがありますか……?」


 奥から引っ張り出されてきたパイプ椅子に座って待つ事、数分。

 個人経営の店らしく融通が効くのか、カウンターに幾つかの商品が並べられる。


「ワイングラスは良いとの事でしたので、周辺の道具を幾つか持って来てみました。今から説明しますね」


 一つ目は、ワインオープナー――文字通りワインを開けるための物だ。

 女性でも開けやすいようにと少ない力でも開けられる一品。(なお筋力値は香織>昌継)


 二つ目は、ポアラー――ボトルの口に繋げて、中身を注ぎやすくする為の物だ。

 味がまろやかになるのだとか。


 その他にも、ラベルを保存用のアルバムだったり、カクテル用のシェイカーなど様々なものが並べられた。


 結が値札を見てみると、そこにあるもの全てが3000円以下であった。

 小学生にはかなり高い額だが、物が物だけにこれでもかなり抑えた方なのだ。


 最終的に結が選んだのは、一つ目のワインオープナー。

 価格は、2310円。


 さくっと払って、店を後にする。


 マギホンを取り出して、昌継の居場所を聞こうとした時だった。


「――あれ? 結っち?」

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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