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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
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新たな仲間 Ⅰ

「本日付で魔法局所属となりました、黄煌(おうこう)の魔法少女 ファルフジウムです。改めて宜しくお願いします!」


 段々と冬らしくなりつつある11月某日、監督の清水 創美つぐみの招集により、魔法局支部のミーティングルームに魔法少女達が集められた。


 目的は勿論、ファルフジウムの紹介。とは言え、魔法少女四人からすれば紹介するまでも無いのだが。


「ファルフジウムさんの加入に伴い、皆さんにはシフトの調整をしてもらおうと思いまして今回集まって頂きました。この場で決めてくれると助かります」


 業務時間内という事もあり、創美の口調も仕事モードのそれだ。


 シフトに関しては今まで、ガルライディア・グラジオラスとエレク・セージゲイズの二組の交代制だったが、ここに五人目が追加される為、シフトを変える必要が出てきたのだ。


 特にファルフジウムは魔法局に無所属ではあったが、魔物との戦闘経験はガルライディアよりも多いため、すぐにでもシフトに組み込めるのだ。


「適当な順で並べてその順の通りにシフト入れれば良くないかしら? 勿論何か用事がある場合は分かり次第連絡を取るとして」


 明の言う事を表示させるなら、

 一日目ガルライディア・グラジオラス、

 二日目エレク・セージゲイズ、

 三日目ファルフジウム・ガルライディア、

 四日目グラジオラス・エレク、と言った形になる。


 皆平等にシフトに叩き込まれる形だ。単純過ぎるとは思うが、覚え易さなどより満場一致で採用された。


 データ的な記録が取れたところで、創美は席をたった。


「御協力ありがとうございました。私は戻りますが、皆さんはどうしますか? 暫くここで親睦を深めるのなら部屋を空けておきますが」

「――いえ、訓練室でも可能ですのでそちらで。私達が使っていて職員の方々が使えなくなるのは、こちらとしても本意ではありませんから」


 創美からの申し出に、全員と目を合わせてから代表して守美子が答える。

 なお、その時には既に、他のメンツは飲み物の片付けなどを始めていた。


 些か落ち着きの無い、言ってしまえば子供らしい行動を微笑ましく思いながら、創美は自身の他の仕事へと戻っていった。



 _______________




 魔法少女の訓練室には、模擬戦用のスペースの他、シャワールームや大きめのテーブルルーム含めて様々な設備が整っている。


 少女達は現在、投影機の前で映されていたものを見ていた。

 割と白けた目で。


「自己紹介をパソコンのスライドで用意する意味あったのかしら?」


 明の呆れ声が全てを物語っていた。

 投影機によって映されているのは美勇の自己紹介用スライド。

 内容としては


 名前:蕗原 美勇/黄煌の魔法少女 ファルフジウム

 年齢:14

 誕生日:11/20

 魔力特性:『累加』

 戦闘スタイル:近中距離(近接寄り)

 魔法具:『フォルテカリバーン』

 好きな物:ヒーロー番組

 嫌いな物:パセリ


 こんな感じ。


 なお、呆れ切った明に対して、美勇は若干驚いた様子を見せた。


「――え、分かりやすくない?」

「分かりやすいけど、さ…………」


 どう言おうか迷って周囲に視線を向ける鳴音。

 ダイナ関係のあれこれ(・・・・)によってコミュ力に大幅の向上が見られたが、元が低いため結局高くはならなかった。


「態々作らなくても、口頭で良かったんじゃないかな、と言いたいんだと思います」


 結のフォローに頻りに首を振る鳴音。

 これではどちらが歳上か分からない。


 そんな後輩達を微笑ましく思いながら、守美子は美勇に話し掛けた。


「――早速で悪いですけれど、やりましょうか」


 にっこりと笑っていない瞳で。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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