表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
黒か花か

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/265

捜索

「凪沙、最近転校生とかいたかしら」

「昼休みの親友の開口一番がそれな私の心境考えてよ……」

「…………すみません」


 昼休み、基本的にうきうきと守美子の元へやってくる凪沙が珍しく顔を曇らせる。

 揃って、弁当を取り出しながら、先程の質問の意図を問う。


「それで、なんで急に転校生の話になったの? 守美子あんまり気にしないじゃん。クラスに来ない限り」

「いえ、鳴音の事を覚えている?」


 守美子の確認に首肯を返す。

 人付き合いが少ない友人に校外で関わりのある人がいることに、今更ながらほっこりしている。

 己は、親か。


「鳴音の学校に、以前話していた幼馴染みが転校してきたらしく……」

「明さんとの間の人だっけ? 戻ってきたんだ。それで、私達のところにも転校生いないかなって?」

「ええ、まあ。今どき転校生なんて珍しいので」


 建前だ。

 実際は、魔法少女の監督にあたる清水 創美より、魔法少女に対して一斉メールが届いた。


 内容は、

 非公式の魔法少女の捜索のために、転校生などの情報を欲している事。

 その者は中高生だと思われる事。

 快活な印象である事。

 身長が150cm程である事。


 結からの情報だけであるために不鮮明ではあるが、所詮は参考程度なので、飽く迄転校生の有無が知りたいらしい。


「うぅんとね、確かね。一年生に転校生がいるとかいないとか、聞いたような……?」

「本当に?」

「……なんか、その転校生自体が眉唾ものなんだよね」


 訝しむ守美子に凪沙は追加の情報を寄越した。

 曰く、転校生がいるのは確からしいが、本人が未だに学校に現れていないとか。


「良くそれで、転校生だと分かったわね」

「なんかね、二学期になって机と椅子が増えていたんだって。でも、一向に人は来ないってことで、そのクラスの生徒が先生に聞きに行ったら判明した、とかだったかな?」

「ふむ…………」


 不登校に近い状況。

 魔法少女として夜な夜な徘徊でもしているのか。

 何かしら独自の収入が必要だとしても、生活費的な面は『所属外魔法少女協力制度』でなんとかなるとして、それならば高校に籍をおいておく意味がない。

 だとしたら、その生徒は白だろう。


 守美子はそれきり思考を止めて、凪沙と昼食に舌鼓を打った。


 なお、後の守美子いわく、創美製の弁当は非常に美味との事。

 凪沙が矢鱈と守美子の弁当を食べたがることで、守美子も守美子で凪沙の弁当を食べることが多いが、本当に魔法少女の監督役という多忙な身でありながら、良く熟すな、と感心してばかりだった。



 ________________




「――明のところには転校生はいなかったのですか」

「寧ろそれが普通よ。これで、美勇をいれて二人か……」


 放課後、魔法局の訓練室にて偶々一緒になった守美子と明は訓練を始める前に、情報交換をしていた。

 交換するものは勿論、捜索の成果。


「件の幼馴染みさんでしたね。結の方は確認できなかったと連絡が来ました」

「それはこっちにも来たわね。後で、結には美勇に会ってもらいましょう」


 流石に全ての学校の事情が分かるわけでは無いため、魔法少女達は己に出来うる限りを熟すだけだ。

 軽い確認に留めて、彼女らは各々訓練に勤しんだ。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。


本日より2週間の間、更新を休ませて頂きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ