魔法局についての話
祝二桁!
本日短めです。
「魔法局は、政府直属の組織です。魔法少女の人権の保護と魔法少女に依頼する形になりますが、魔物の対応を主な仕事としています」
グラジオラスは概要から話し始める。
「また、依頼の際に負った傷の治療費などは魔法局の負担になりますので、ご安心ください」
結は守美子の言葉を咀嚼し、呟いた。
「……バイト?」
他三人―守美子、香織、昌継が揃って苦笑する。
少し、その喩えはずれている。
「依頼に強制力はないのだけれど、自分達が戦わないと自分の生活がしづらくなるのよ。だから、依頼というのは建前ね。嬉々として戦いに行くような人もいるけれど」
守美子は微笑しながら付け足す。加集夫婦、特に昌継は守美子の言葉に共感を覚えたのかしきりに頷いている。
「少し良いですか?」
香織が流れを変えるように守美子に声を掛ける。
「はい、なんでしょうか?」
「戦うのも、魔法局に入るのも、結の自由なんですよね?」
「はい、そのどちらも強制ではありません」
「だったら……」
香織の言わんとすることが分かったのか、守美子は語気を強める。
「強制では無いからこそ、説明を全て受けてから決めなければならないのではありませんか?」
「……そうですね、話の腰を折ってすみません」
香織は守美子の言葉に納得を示した。
守美子は続けて、契約についての話、依頼料の話、魔法局に所属する魔法少女が使える設備についての話などをしていく。
そして、刻一刻と結の選択の時は近づいていった。
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