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【六章】収束の魔法少女 ガルライディア  作者: 月 位相
黒か花か

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誰にも知られぬ少女

三章開始!

章題が今までで一番それっぽい感じになりました。

ここの話、(基本的にズレてる)作者の趣味でしか無いので(全体的にそうだけども)、ノリが合わなかったらすみません。

 轟く。

 霹靂が鳴り響き、雷火が奔る。


 昔から、それこそ生まれた時から、その音は彼女の内で鳴り響く。

 けれど、人は彼女ただ一人。ある時までは、ずっと一人だった。


 暗雲に覆い尽くされ、光のない世界にたった一人。少女はぽつんと存在する。

 誰一人として、少女を理解するものはいなかった。

 父は、殴った。蹴った。殺意を向けてきた。雷に焼かれて、少女の世界から消えた。

 母は、悍ましい怪物を見る目で見ていた。また雷に焼かれて、少女の世界から消えた。


 二人の少女がいた。雷の少女とはずっと一緒の少女達。

 彼女らは、雷に焼かれなかった。

 些細な喧嘩はあった。それでも、消えることは無かった。


 二人の内の一人が、遠くへ行ってしまった。

 雷とはまた別の理由で消えてしまった。


 でも、まだ一人残っている。残り続けている。

 少女の手には熱が籠もっている。それも最初から、段々と日を置くにつれて大きく、温かくなっていく。


 ついには、その熱は外側へと漏れ出して、雷の少女をも包み込んだ。

 包まれたことの幸福感は、今まで少女が味わったことのないものだった。

 その時初めて少女に欲が生まれた。


 もっとその熱が欲しい。もっと、もっと、もっと、もっと、たくさんの。


 だから、彼女の願いは『彼方まで』()よ、『轟け』。

 もっと熱が欲しいから。

 もっと世界に人が欲しいから。

 消えてなくならない温かい人が。

 その人達が分けてくれる熱が。


 それがあれば、自分は人であると思えるから。

 それさえがあれば、自分も人だと認めて貰えるから。


 けれども、後になって少女は思い知るのだ。

 消えてなくなるのは、自分であることを。

 己は、人などでは、ないのだと。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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