設定集(読まなくても可)
作者の自己満の象徴。
ちょくちょく追加するかも。
⦅導入⦆
日本のある都市の上空にある日、亀裂が生じた。
多くの国民がそれを確認したと同時に出現した化け物――魔物に踏み潰された。
暫くの間、魔物は共食い、それに伴う街の破壊を行うのみだったが、何時しか人々を襲うようになった。
まるで、食料を見つけたとでも言うように。
後にそれは、魔物の出現とともに発生した万能エネルギーである『魔力』を人間含む多くの生物が体内(心臓部)に蓄積、体内に循環出来るようになったために、魔力を生命活動用のエネルギーとする魔物の捕食対象となったと判明した。
魔物の対処に追われる政府にある噂が流れてきた。
曰く、超常現象を行使する少女たちがいるという。
その噂の主が魔法少女の始まりだった。彼女たちの尽力で被害は段々と縮小していった。
また、魔法少女たちは、異口同音にこう述べる。
ーー喋るぬいぐるみに変身用の道具を貰った、と。
各国は、その証言等より、喋るぬいぐるみ、通称妖精の存在を感知。魔法少女らが扱う『魔法』と同様の力を行使することを確認した。協力を要請。
その結果、各国+妖精の協力の元、街を覆う大規模結界の構築に成功する。
人類を喰らう魔物の驚異から逃れるために、魔物の出現と侵入を防ぐ結界を張っている。
結界は周囲一体を半球状に覆っているため、街も結界の円周に合わせて、形状が円状になった。
また、魔物がいる街(結界)の外は割と放置気味なこともあり、森林が広がっている。
その影響か、地球温暖化は抑制されたのだとか。
街と街を繋ぐ道は勿論の事存在する。道に沿って魔物が近づかないように工夫をしたりなどもしているが、地下通路のほうが多い。
全体のイメージはRPGの街々に近いだろう。
人類は自らを鳥籠に閉じ込める形で存続している。その為、街の守護や外界の調査に欠かせない魔法少女は各国で厳重に管理されている。
権利などが認められたのは、
憲法によるものか。それとも……。
《魔法少女》
魔力(後述)で超常現象――通称魔法を発動させる能力を持ったもの。
世界で初めて魔物が出現してから間もなく、少女達のみが魔法を操れるようになったこと、魔法がアニメ、漫画に出てくる魔法少女のようだったことから、何時しかそう呼ばれるようになった。
第一世代の魔法少女達の多くは亡くなっているが、生き残っているとしたら40代半ばの者が殆ど。
彼女らは最も不安定だった頃の日本を支え、国民を守りきった。
現行、もっと言えば、第二世代以降の魔法少女たちの中で、少なからず第一世代の者と関わりがあった者は異口同音にこう述べる。
――世間では魔法少女を英雄視している節があるが、彼女らがそうなのであって、自分たちは足元にも及ばない。
未知の恐ろしい怪物に立ち向かった彼女ら一人一人が英雄なのだ。
魔物出現から数年、漸く国が落ち着き始めた頃、政府は魔法少女の職業化を行う為に、魔法局を開設。
以後多くの魔法少女がそれに所属。
また、同年魔法局所属の魔法少女の増加に伴い、ランク制度が生まれる。
ランクは上から、S、A、B、C、D、Eの6段階。また同様に魔物にもランク設定がなされた。
対処するに当たっての適正レベルを示すためである。
Sランク:魔法少女の中でも最高位。多くが戦闘能力による認定だが、極少数能力が特異、且つ有用であれば、戦闘以外の理由で認定を受けるものもいる。
Aランク:魔法少女のなかでも、上位1割程の存在。『起源魔法』の発現に加え、幾つかの条件を満たさねば、認定を受けることの出来ない狭き門。大抵の魔法少女の到達限界。
Bランク:複数ある条件のどれか一つを満たすことで認定される。余程の能力でないとこのランクまでは戦
闘以外でランクを上げることは出来ない。
Cランク:Cランク以上の魔物を単独討伐することで認定される。
Dランク、EランクはCランクと同様にそのランクの魔物の単独討伐による。
⦅魔物⦆
魔物とは、地球上の生物を巨大化させたような見た目の人を、正確には魔力を保有する生物を襲うもの。
生物に近い見た目とは言ったが、一部例外も存在する。
最初に出現した、後に『人滅龍・八岐大蛇』と呼ばれる様になった魔物は、名前の通り、首が八つあった正真正銘の化け物であった。
全身を黒い魔力に覆われており、瞳だけは血濡れたように赤黒く光る。
桁外れの身体能力、魔力を纏っていることによる対物理能力等当時の技術では到底太刀打ちできるものではなかった。
魔物が出現し出した当時は、魔物の正体は突然変異した野生動物なのでは無いか、とも言われていた。
(最初の1体から八岐大蛇のような見た目をしており、あり得ないと言わざるを得ないのだが)
それらの理由から魔法少女のみが対応できる。
《魔法》
魔法とは、魔物とともに地球上に爆発的に広まったエネルギーである魔力(後述)を用いて超常現象を行使すること、または発生した超常現象そのものを指す。
魔力を手繰る術を持つ者は、魔力と己のイメージから魔法を発現させる。
魔法に名前をつけることとは、即ちイメージの喚起を素早く行うための行為。ただし、魔法が本来保有している、イメージによる柔軟性を失う代わりに、速度と安定性を得られる。
そのため、多くの魔法少女は名前付きと、名無しの魔法を使い分けている。
『起源魔法』は、名前を有するが、それは前述したような術者が決めた名前では無い。
術者の願望、後悔、その他諸々の人生経験から削り出された術者の一部。
それが、術者の思いとともに形を成す。激情に駆られた際に発現しやすいと言われている。
その魔法は一度確立したら、例え術者がこの先どんな経験をしようと変わるものでは無い。
この先どれだけ過去を悔やんでも無くなってはくれない。
また、その性質上、術者によって使用できる数が異なる。
⦅魔力⦆
魔物の出現と共に地球上に爆発的に広まったエネルギー。
日本上空に生じた亀裂から発生したそれは、万能とも言えるほどの可能性を秘めていた。
火を起こす。風を吹かせる。地を操る。身体機能を向上させる。果ては物質の生成まで、そのエネルギーに不可能は無かった。
その力を望んだものは多かった。
だが、彼らの望んだ様に行く事は無かった。
誰も魔力を制御出来なかったのだ。
電気のように機械的に操作しようにも、魔力は未知のエネルギー。出来るわけがなかった。
唯一それが可能なのが、魔法少女達だった。
彼女達は魔力を制御して、超常現象を起こしていた。
研究の末に人間は魔力を操れるが、個人によって保有する魔力量には差があり、大抵の人間の魔力量では殆ど何も出来ないと判明した。
ならばと、魔力を多く有する者を捕らえ、物質の生成を行わせた者もいる。
物質の生成には、成功した。
だが、それらは一定の時間が経過すると魔力に還ってしまった。
人間一人一人に起こせる超常現象――魔法に対する適性は異なり、物質の永続的な生成が可能な者など、大量の魔力を有する数少ない人間の中でも、ごく僅かだった。
こうして、魔法で利益を得ようとしていた者達の野望は悉く潰えた。
暫くして、魔物の心臓部とも言える魔力の結晶体、通称魔石を利用して魔法を継続的に使用出来る様になった。
が、その技術は魔物から市民を守る結界としてのみ使用されている。
それ以外に流用できない様に厳重に魔法的なロックが掛かっていると知っている者は果たしてどれ程存在するか。
お読み頂きありがとうございます。
今後も読んでくださると幸いです。