隋紀七 大業13(617)年 (37)
ところが翌日李世民は再び李淵に説いた。
「現在賊は日に日に勢いが盛んになって天下に満ち、大人(李淵)は詔を賜り賊を討伐されていますが、果たして賊を滅ぼし尽くすことができるでしょうか!(いやできません!)そしてそれはつまり、最終的に有罪は免れないということです。
また世の人々は皆噂しています「李氏が天子(皇帝)となるだろう」という予言に応ぜよ」と、それにこの予言が原因となって李金才(李渾)は罪が無いにもかかわらず、(煬帝によって)あっという間に一族もろとも滅ぼされました。
加えて大人がもしよく賊を滅ぼし尽くされるならば、むしろその功績が巨大なことにより(警戒されて)賞賛されず、大人の御身はいっそう危うくなります!そこでただ世民が昨日申し上げたことだけを、用いることによって災いを回避することができ、これは万全の策(完璧な策)でありますから、願わくは大人このことを疑れませぬよう!」と。
李淵はそこでため息をついて言った。
「我は一晩汝の話したことを考えたが、これ(汝の話したこと)は大変理にかなっている。
そして今日家を滅ぼし命を失うも汝次第、家を変えて国とするも汝次第だ!」
訳者注
※李金才
本名は李渾、金才は字。
李渾が煬帝に滅ぼされた経緯については
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note ぬこ好き 中国中世史
資治通鑑 胡三省注 隋紀六 大業11(615)年 (2)(3)を参照。




