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隋紀七 大業12(616)年 (27)
内史侍郎の虞世基は煬帝が群盗について聞くことを嫌っていたので、諸将及び郡県で官軍(隋軍)の敗北を告げ、救いを求める上表をする者がいても、彼が皆それらの上表文を握りつぶし、煬帝に事実を聞かせず、ただ言った。
「ネズミや犬のようなこそ泥は、郡県の官吏が追跡して捕らえ、やがて残らず滅びますゆえ、願わくば陛下におかれましては、そのような小事を憂慮なされませぬよう」と。
煬帝は誠にその言をもっともであると思い、ある時は群盗の実情について報告する使者を杖で打ち、その報告を嘘と決めつけたため、これにより群盗は天下に満ち、郡県は次々に陥落したが、煬帝はそれらの事を全て知らなかった。