「『ぬう坊』がイジメられている!」 (2)
「『ぬう坊』をイジメるな!」
私が怒鳴り飛ばすと、
教室中が静まり返った。
本来だったら、学活か授業の時間帯で、
教師が職員会議で忙しくて不在なだけだから、
ほとんどの生徒が、
座席に着いていた。
話はズレるが、
私が通っていた底辺不良中学は、
地元じゃ有名な『悪の花園』だったけれども、
授業中に、
奇声を挙げたり、
座席から立ち上がったり、
彷徨く様な生徒はいなかった。
暴力で調教されていたからね。
この頃の親や教師は、
戦前の教育を受けていたので、
感覚は、
戦前みたいなものだった。
親や教師は、
子供を殴っても良いんだよ。
でも、
何故か? 子供は反撃してはイケない。
それどころか、
避けても、駄目。
黙って、殴られ続けなければ。
そりゃ、
戦争中に、多くの若者が、上官の命令で死んで行くわな。
日本人の敵達は、
「志願した」
って、偽情報を流しているけど、
そんなに嬉しいの?
日本人が死ぬ事が。
それに、
これは、中学を卒業してから四十年くらい経ってから、同窓会で聞いた話なんだけど、
「恐過ぎた」
んだって!
不良連中が。
不良連中が恐過ぎるので、
とにかく目を付けられない様に、
必死に目立たない様にしていたんだって。
これを聞いた時は、
「イジメは、イジメられる側に原因が有る」
を思い出したな。
私が天下の嫌われ者だったのも、
皆が、敵を作らない様に努力していた時に、
傍若無人を繰り返していたから。
私の人格に問題が有ったワケだが、ただ、一言だけ、言い訳を言わせて貰えれば、
私に近付けば、
ただそれだけで、
不良連中が快く思わ無かったのも事実だ。
『ガンジー』が言われていたのを、直接聞いた事が有る。
『ガンジー』とは、
『新人類の間では、政治が【流行った】 〜 日本没落の流れ (1)』で書いた暴力団の組長の隠し子だ。
反社会的勢力にメッタ刺しにされて死んでしまったが、
中学の席替えの時では、
志願して、
嫌われ者の私の隣に来てくれた。
それで、
「中一の時は『山下二世』で、
中二になったら△△(注、私の苗字)か!」
と文句を付けられていた。
これを言った奴は、私に謝っていたけど。
ついでに、
昔は、
ネトウヨはいなかったんだけれども、
ネットが無くても、
陰でコソコソと、左翼の悪口を言う人は、いた。
そういう人は、
わざわざ私の所まで来て、
左翼の人達への不満をぶちまけて行くんだよ。
私さえ居れば、
左翼も手出して来ないと思って。
昔の感覚では、私は右だった。
昔は、
【一億総中流】の時代だからね。
私が通っていた底辺不良中学では、
両親が揃っていない家庭の子供は、
全校で、
四人しかいなかった。
七百名以上いて、たった四人だから、
校長先生からプレゼントを貰っていた。
たぶん、
今の感覚なら、
私が通っていた底辺不良中学は、
お金持ちの子弟が通う、エリート私立中学みたいなものだろう。