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先輩は女騎士で俺は剣で  作者: 枯木真田呂
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ゲームセンターの少女

 「岸上先輩、剣になったあと元に戻る方法を教えてください! 昨日剣に変身してみたんですけど戻る方法がわからなくて……時間で元に戻ったっぽいんですけど」


「変身を解く方法は納刀だ。君、つまり剣を鞘に納めるといい。そうすると人間の体に戻れるよ」


「鞘なんてありましたっけ?」


「鞘は私が持ってるんだ」


そういって岸上先輩は革の鞘を俺の目の前に差し出した。鞘は俺が入るくらいの大きさだ。


「君を剣に変身させたときに鞘も出てきたんだけど伝えるのを忘れていたよ。剣に鞘を納めると元に戻ることができるけど、変身してから3時‬間経過しても元に戻れるんだ」


「昨日変身してみて分かったんですけど剣になると動けないみたいです。なんで俺が自力で鞘に納まるのは不可能ですね」


「なるほど、君一人の時に変身するのは避けたほうがいいね」


「分かりました! 次からは岸上先輩と一緒の時に変身するようにします」


「うん、よろしく頼むよ」


「では失礼しました」


 今日は変身のことも解決できたし岸上先輩とも話せたしうれしいことばかりだ。これからも岸上先輩と一緒にいられると考えると顔のゆるみが止まらない。


「そんなだらしない顔してどうしたんだ海影、いいことあったみたいだな」


「隼也、いいことあったというよりはこれからいいことがあるんだ。岸上先輩と一緒にいられることが嬉しいんだ」


「お前は岸上先輩にぞっこんだな! 微笑ましいぜ」


「いいか? 岸上先輩には絶対手を出すなよ? いくら隼也でも容赦しないからな」


「おぉ怖い怖い。心配しなくても岸上先輩には手を出さないから安心しろよ」


 帰りに隼也とゲームセンターに寄ることになった。メダルゲームやクレーンゲームなどいろんなゲームをしたが俺はすぐにメダルがなくなったし景品を取ることができなかった。けど友達と遊ぶ時間っていうのはかけがえのないものだ。この時間を守るためにも岸上先輩の剣として頑張らないといけないな。


「次はレースゲームしようぜ! 俺が絶対に勝つからよ」


「自信があるみたいだけど俺もレースゲームなら勝ちは譲らないよ。走り屋海影と呼ばれた俺のドライビングテクニックを見せてやるぜ!」


「俺だって最速ドライバー隼也って呼ばれてたんだ。走り屋ごときに負けるわけにはいかないぜ! おっと、小銭がないから両替してくるわ」


「じゃあちょっと店内を見てくるよ」


 久しぶりにゲームセンターに来たけどいろんなゲームがあるんだなぁ。昔やってたゲームが新しくなってたりするし新しい発見ばかりだ。こっちはクレーンゲームコーナーか。


「あれは俺の好きな『ツンデレナイトサーガ』のヒロインのクリスちゃんのフィギュア! 残り1つしかないじゃないか……これは取るしかない!」


お金を入れようとしたその時……


「ちょっとごめんね! クリスちゃんのフィギュアは私が取るんだから!」


金髪で黒いキャップをかぶっている少女が俺を突き飛ばしてクレーンゲームを始めた。


「ちょっと! 俺が先にクリスちゃんを取ろうとしてたんだから譲ってよ!」


そう言って金髪の少女を台から引きはがそうとしたけどもびくともしない。力なんてなさそうな感じなのになんで動かないんだよ。


「男だったらいたいけな少女にクレーンゲームの景品くらい譲りなさいよ!」


「いたいけな少女だって? 男子高校生の力でもびくともしない女のどこがいたいけな少女なんだ! それに俺はクリスちゃんが大好きなんだ。頼むから譲ってくれよ」


「もうちょっとで取れそうなんだから話しかけないでよ。これ以上話しかけてくるなら警察に通報するわよ」


「お前それは卑怯だろ……」


「どうするの?」


「くそっ……分かった。クリスちゃんは諦めるよ……」


くそっ、何だったんだあの金髪少女は。わがままにもほどがあるだろ。岸上先輩とは正反対だな。このイライラはレースゲームにぶつけて発散するとしようか。

週2回投稿になってしまい申し訳ございません。もう少し投稿頻度を上げられるように頑張りますのでブックマークお願いします。

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