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きっかけ(めっちゃ後悔してる)

始めます

「ふぁ…。ねむ…。」

大学生にとって午前の講義ほどめんどくさいものはない。唯一の救いは家から大学が近いことである。


俺は高坂康平。大学4年生だ。いわゆる就活生でもある。5月現在5社受けたけどすべてお祈りメールで返ってきた。言うところまだ5社だ。少ないと思われるかもしれないが、艦これのイベを考えればそんなに時間は割けない。今回のイベは当たりだ。事前に資源をある程度貯めてゲージを破っていく。もちろん甲でね。

(次はどうしようか…、空母の編成を考えなきゃ。いや、それも大切だがそろそろ就活もしなきゃいけないな。聞くところによると内定もらってる奴がいるらしい…。これはヤバイな)

現実的なことを考える。うん。就活支援センターに行くか。

各大学には学生の就活を支援するための制度がある。高坂の大学も例外ではない。高坂はこの時期になって初めて支援センターに行くことにした。

「こんにちはー」

「はい、どうしましたか?」

30代くらいの綺麗な女の人が対応してくれた。こう言ってはなんだが、私は必要最低限の単位を1,2年生にほとんど集中して取り、その後は必修単位のためにくるだけでほとんど大学に行ってはいない。少しでもお金を稼ぎ艦これにつぎ込むためだ。日雇いのバイトしかしてないけど。

「実は就活で困っていて…」

「なるほど、ちなみに今何年生なの?」

「4年生です」

「え…。」

微妙な空気が部屋の中に広がる。

「とりあえず会社は受けたの?」

「5社ほど受けてますがすべて落ちました」

「なるほど就活はしてるようで良かったわ」

ほっとしているようだ。どうやら聞くと就活をまともにしてない学生もいるらしい。それで藁にもすがる思いで支援センターにくる奴もいるとのこと、俺もその学生と思ったらしい。

「そうだ、このあと学内就職説明会があるんだけど良かったら来ない?うちの学校のOBが来てくれてるから私服でも大丈夫!」

「はぁ…わかりました。お願いします。」

学内での就職説明会は年に数回ほどすべて本学のOBが駆けつけてくれている。ブースは全部で10個ほどある。

俺は就活支援センターを後にした。すると目の前に入れ違いに支援センターに入って来ようとする人が見えた。

背が高い男性だ。自衛隊の服を着ている。GATEで見たことあるぞ…。確か陸自の制服だっけ。男性はどんどん俺に近づいてくる。

「やあ」

「…どーも。」

「君、自衛隊に興味ない?」

「え」

「ごめん、ごめん僕は陸上自衛隊の人間なんだ。島崎と言います。よろしくね。」

「はぁ」

「ところで君の持ってるバッグのキーホルダー、加賀さんだよね?」

「え」

驚いた。話を聞くとこの人も艦これをやってるらしい。しかも一瞬で見抜くとはこの人の加賀さんに対する愛は深いな…。(笑)

「そうか、そうかその加賀さんのキーホルダー即売会で買ったのか!」

「はい、この前横須賀に行きましたので…。」

「おぉーなら護衛艦の見学会があるんだけど良かったら来ないかい?」

護衛艦の見学か…。確かに興味があるな。

「是非、言ってみたいです。」

「よっしゃ決まり!連絡先教えて」

(ふふふ1人ゲットだぜ!)

「あとでブース来てね。詳しく説明するから」

「はい」

その場を後にし講義に行く。講義中こっそりスマホで自衛隊について調べていた。

(陸海空か…。ここはやはり海かな。やはり艦これのこともあるけど、海の男っていいよね)

海自について調べてくると意外にも待遇はいい。

(え、給料めっちゃいいじゃん。護衛艦勤務になると航海手当てが付くのか…。潜水艦はもっと高い。ビックサイトに無限で行けるんじゃね)

もう心は決まったようなものだった。講義終了後就職説明会へ向かう。

ホテルや販売業のブースを他所に自衛隊のブースを目指す。

「こっち!こっち!」

島崎さんが手を振って呼んでくれた。自分の他にも5人ほどいる。

「それじゃあ説明会を始めます。私は陸上自衛隊の島崎と申します。皆さんどうぞよろしくお願いします。さて、私はこの大学を卒業して3年が経ちました。正直に言うとこの仕事はめっちゃいいです。」

島崎さんが両手に拳を作り熱く語る。

「給料はもちろんのこと、残業がまずほとんどありません。自衛隊では管理して働いているので業務バランスが整ってるいることが魅力です。営業職のようにノルマはありません。基地にいればお金は貯まります。食事も三食でて食費や宿舎費はかかりません。」

なんと、それなら一文無しでも大丈夫ってことか、なるほど。すごく魅力的に感じてきたぞ。

「自衛隊ではみなさんの力を必要としています。どうかその力を国民のため、国を守るために使いませんか?」

島崎さんが一通り説明をしビデオを見終わった後に念押しで伝えた。

「やはりね、年々自衛隊に入る人が少なくなってきてるからね、僕としてはこの仕事気に入っているんだけど、資格も取れるし、休みも取れるからね。同期なんてこの前ヨーロッパ旅行に行っていたよ。」

やはり自衛隊っていいな受けてみようかな…。休み取れるのはやっぱりいいよね。最近ブラック企業とか過労死とか聞くし、自衛隊はそんなの聞かないもんね。


その後その場で願書を書いて島崎さんに提出した。

「ありがとう。護衛艦の見学会迎えに行くからね。」

「え、いいんですか?」

「うん、自衛隊を受けるならまず本物を知らないとね」


俺はなんとか自衛隊という就職口を見つけることができた。さらに舞鶴で教育を行うと聞いてテンション上がりまくりだ!

(よっしゃ舞鶴行ったら聖地巡礼しよ、まずは旧海軍工廠だよなー)

この時の俺は半分旅行気分で、後々起きることをこの時はまだ知る由もなかった…。

どんどん行きますよー

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