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第600話 予告して




バサッといきなり布団が剥ぎ取られた。


「な、なに!?」


急なことで私はハッと目が覚めた。

キョロキョロ辺りを見回すと、良い笑顔のお兄様が布団を持っていた。

………あ、うん。

なんで王太子が布団をもぎ取るのか。

何故ラファエルみたいな凄みのある黒い笑顔なのか。

また勝手に入ってきたのか。

などなど、色々突っ込みたいことはあるんだけれども…


「………おはようございますお兄様」


挨拶は大事だよね、うん。


「はい、おはよう」


あ、挨拶は返すんだ…

………その笑顔、引っ込めないの……?


「なんでラファエル殿と同衾しているのかな?」


………そこか!!

逆鱗に触れたのはそこなんだ!!

言い逃れしようのない状況!!

まぎれもなくラファエルと一緒に寝てるしね!!


「ソフィアの可愛いお願いは全て聞くようにしてるから」


あ、ラファエルも起きてたんだ。

ぎゅうっと抱きしめられたままだから、無意識かとも思ったんだけれども。

私の侍女達が顔色真っ青じゃないか。

何したんだお兄様。


「へぇ? ソフィアが同衾を願ったのか」

「やましい思いは1つもないよ。いや、ソフィアを抱きしめたいと思ったのは認めるけど」

「あ、そう。いいから起きて」


お兄様に促されるまま、私達は素直に起き上がった。


「ソフィアは病み上がりだからまだ寝室から出ちゃダメだけど、ラファエル殿には手伝って欲しいんだ」

「何を?」

「マジュ国の連中がね、魔物を見つけたはいいけど苦戦してるから合流したいんだよね」


ピクリと反応してしまい、両肩をラファエルとお兄様に押さえられた。

………あ、すみません…

私は留守番ですね…


「分かった。でも、ガイアス殿達がいて苦戦する…?」


ラファエルがベッドから出ながらお兄様に聞く。

そうだよね。

王族なんだから魔力量は多いんじゃないの…?

それ以前に魔物退治お手の物じゃないの?

苦戦するって、強い魔物なのかな…

個体でレベルが違うとか…

そんなところにラファエル連れて行かないでほしい。

もちろんお兄様にも怪我してほしくないけれど…


「動きが速いから攻撃が当たりにくいんだそうだよ。人数連れてないから、ラファエル殿と騎士とサンチェス国兵士とで連携取って囲い込みたいんだ」


………あ、そうか…

ドーム作れないのか…

簡単に作れそうなものなのに、私の知っている魔法とはまた違うのかな…


「成る程ね」


………ねぇ。

なんで話しながら私の目の前で着替えるのラファエル…

予告して。

私が目を瞑るか、明後日の方へ向くのを待って。

それか前みたいにラファエルが私を後ろ向きにして。

バッチリラファエルの下着が視界に入っちゃったじゃないか。

いい締まり具合の身体が視界に入っちゃったじゃないか。

顔色変えずに視線を反らすのに苦戦しちゃったじゃないっ!

ヤバい、顔が赤くなるっ!!


「………で、なんでそこで着替えてるのラファエル殿。婚姻前のソフィアの目の前ですることじゃないよね」


お兄様、その突っ込み遅いよ…


「え? ここに俺専用の部屋がないから?」

「………あ、そう」


そこで納得しないでお兄様!!

ラファエルの部屋用意してあげてっ!!

客室余りまくってるでしょ!?


「時間が惜しいからそのままいける?」

「いけるよ。じゃあソフィア、いい子で待っててね」

「………はい。行ってらっしゃいませ」


2人が出て行ってドッと疲れた私はそのまま後ろに倒れ込み、侍女が慌てて寄ってきたのだった。

ああ……今すぐ私の直前の記憶を誰か消して…!!

ラファエルの裸体が(上半身だけだけれども!!)記憶に残っちゃってるからっ!!

恥ずかしすぎる!!

私はしばらくベッドでもだえ、侍女たちに呆れられていたのだった。

貴女達みたいに私は婚約者の身体見慣れてないからね!?


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